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退出
「退出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
退出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
いだした。品川弥二郎が農商務大臣をしていたころ、その人は省の門の側に立って大臣の
退出を待っていた。大臣が勢いよく馬車に乗って出てくるのを見ると、すぐ駈けだしてい....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
涙を収めてありがたくお礼を申し上げた。御前の首尾のよいのを見とどけて、清治は藻に
退出をうながした。 「また召そうも知れぬ。その折りには重ねてまいれよ」 忠通は....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
言うのも礼を失うと思ったので、張訓はなにげなくお礼を申して、ほかの人たちと一緒に
退出した。しかし何だか面白くないので、家へ帰るとすぐにその妻に話した。 「将軍も....
「超人間X号」より 著者:海野十三
》をたたき、読経《どきょう》した。この儀式はまもなく終り、一同はこの阿弥陀堂から
退出した。 あとは阿弥陀さまと棺桶ばかりとなった。夜はいたくふけ、あたりはいよ....
「独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
日午後二時十五分より、カセイ・ホテルに現れ、飲酒三時間に及べり。午後五時三十分、
退出す」 「よく飲むなあ。身体をこわさなきゃいいが……」 次の報告書には、こう....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
て跪いた時、言い知らぬ神霊に、引緊った身の、拍手も堅く附着たのが、このところまで
退出て、やっと掌の開くを覚えながら、岸に、そのお珊の彳んだのを見たのであった。 ....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
は彼が趙姓である確証を弁解もせずに、ただ手を以て左の頬を撫でながら村役人と一緒に
退出した。外へ出るとまた村役人から一通りお小言をきいて、二百文の酒手を出して村役....
「端午節」より 著者:井上紅梅
。彼が顔色を変えると、方太太は彼女の無教育を怒ったのかと思って話の結末をつけずに
退出した。方玄綽もまた話の結末をつけずに腰を伸ばして嘗試集を読み始めた。 六月)....
「荘子」より 著者:岡本かの子
ました」 「なに麗姫が? 麗姫が何とかしましたか」 「あなたが麗姫を尋ねて洛邑を
退出なさった頃から麗姫が変り始めましたな。今までの我儘を恥じる恥じるとそればかり....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
いはその神の呪詛とも思わるる節がある。心して祀り仕えよ。」 忠明はかしこまって
退出した。彼は姫路の城に入ると、天主閣の周囲には注連を張らせた。閣の入口には毎日....
「妖怪談」より 著者:井上円了
と思いましたが、なにぶんにもウエド氏は今、他出前のことでありましたから、やむなく
退出しました。この実験を見るには、少なくとも四、五日は当地に滞留いたしておらねば....
「活人形」より 著者:泉鏡花
振合うも他生の縁とやら、お念仏申しましょ。と殊勝らしく眼を擦り赤めてやおら病院を
退出ぬ。泰助は医師に向い、「下手人がしらばくれて、(死)をたしかめに来たものらし....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
は真っ赤になって、他に話題がないのなら帰ってお寝みとおっしゃった。私もむっとして
退出したのですが、腹がたっていたので、御前に罷り出る限り私はどこまでも自分の崇拝....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
だが、源雅定が若い頃、石清水臨時祭へ勅使となって臨んだことがあったが、式がすんで
退出するとき、松の梢に時鳥の鳴くのが聞えた。時の陪従、つまり勅使のお供をして、神....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
会社を
退出した時には桃子にも連れがあったので、本庄とは別々の電車に乗ったが、S駅を降り....