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退学
「退学〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
退学の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
造作《むぞうさ》にいいながら、ヴァイオリンを窓の外にほうりなげて、そのまま学校を
退学してしまったのも彼女である。キリスト教婦人同盟の事業に奔走し、社会では男まさ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
校の制服はあるでしょうね」 「はあ、しかし、もう学生じゃありませんから」 「なぜ
退学したのですか?」 「つまらなかったからです」 「赤じゃなかったんですか?」 ....
「世相」より 著者:織田作之助
て、三十五歳で妻帯した。細君は北浜の相場師の娘だったが、家が破産して女専を二年で
退学し、芸者に出なければならぬ破目になっていたところを、世話する人があって天辰へ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
通がきかないとかいうそしりの意味もないことはなかった。 僕が陸軍の幼年学校から
退学させられて家に帰った時にも、 「お父さんはあんなにおとなしい方だのに……」 ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
からなあ――」 まだ未練気にそう云ってる不機嫌の教授に訣れを告げて、復一は中途
退学の形で東京に帰った。未完成の草稿を焼き捨てるとか、湖中へ沈めるとかいう考えも....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
に来た。プロレタリア文学雑誌「種|蒔く人」の同人で二十五歳、病弱な為めW大学中途
退学の青年だが病身で小柄でも声が妙にかん高で元気に話す男だ。殆どわめく様にマルク....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
小学校だけで済ませるものは格別、その以上の学校に転じるものは、中等科を終ると共に
退学するのが例であった。 進級試験は一年二回で、春は四月、秋は十月に行なわれた....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、内心びくびくしていた。おそらく無断外出を夜廻りに見付けられて、譴責を受けるか、
退学を命ぜられるかと、その夜は碌々眠られなかった。 その明くる日である。夜廻り....
「獄中記」より 著者:大杉栄
るようにして行ってしまった。 彼と僕とはかつて同じような理由で陸軍の幼年学校を
退学させられた仲間だった。彼は仙台の幼年校、僕は名古屋の幼年校ではあったが、もう....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
ではないらしい。学生の癖に、悪く、商売人じみた、はなを引く、賭碁を打つ。それじゃ
退学にならずにいません。佐原の出で、なまじ故郷が近いだけに、外聞かたがた東京へ遁....
「雨」より 著者:織田作之助
は、センチメンタルなのね。肩に手を掛けた。豹一はうっとりともしなかった。間もなく
退学届を出した。そして大阪の家へ帰った。 学校をやめたと聞いて、 「やめんでも....
「天衣無縫」より 著者:織田作之助
人の大学出だということも社長のお眼鏡に適ったらしいんだが、なに、奴さん大学は中途
退学で、履歴書をごまかして書いたんですよ。いまじゃ社長の女婿だというんで、工場長....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
商業学校に学籍を転じたが、翌十九年一月、とうとう辛抱が仕切れないで怫然袂を払って
退学してしまった。最う二、三月辛抱すれば卒業出来るのだし、二葉亭は同学中の秀才だ....
「雨」より 著者:織田作之助
て、それを教室で朗読した。それで鉄拳制裁をうけ、そしてそのことが教師に知れて諭旨
退学を命ぜられた。 お君は何とも言わなかったが、安二郎は彼を嘲笑した。お兼は執....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
親友で、辰馬久という者でございます。有名な実業家辰馬増之助氏の長男で、京大を中途
退学して、只今は親爺さんの辰馬銀行に勤めて居ます」といささか得意気に答えたのだっ....