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「退庁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

退庁の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
深夜の市長」より 著者:海野十三
勤めも、居睡りと涎の玉を拵えたぐらいのことで、まず大した失策もなくて勤め終った。退庁時刻が来ると、僕は帽子とコートを掴むが早いか、脱兎のようにといいたいぐらい素....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
これは大賄所という支度を司る役所の引けた後小使部屋から出火したので、既に私どもは退庁していたが、聞くと直に馳け付けたけれど、火勢が盛んで消防どころか、殆ど何一つ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
は? そして、被害者は天下の名門婦人だが」 宇井はニッコリ笑って、 「そろそろ退庁の時刻だ。それほどイカサマ美人術師のことが気がかりなら、多少の知識はもらして....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ぎの際に、貴君は農林大臣当時夜中までも会議を開いていたと聞いて居るが、内務省では退庁時間を尊重するよう取計って貰いたい、これが私の事務引継ぎである、と述べたと当....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
といわれます。尤もそれまでもお留守の時は、そこで本を見て時を過したので、そろそろ退庁の時刻になると、そこらを片附けます。取散らしてあるのはお嫌いでしたから。それ....
三国志」より 著者:吉川英治
然多い。 「どうも孔融は、丞相にたいして、お怨みを抱いているようです。……昨夕も退庁の際、ひとり言に、不仁を以て仁を伐つ、敗れざらんや――などと罵って帰りました....