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「退縮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

退縮の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
片信」より 著者:有島武郎
たるべきものをして来たるべきものを処置させよう。 結局僕の今度の生活の展開なり退縮なりは、全く僕一個に係《かかわ》った問題で、これが周囲に対していいことになる....
星座」より 著者:有島武郎
に映るものが不断とは変ってきた。こんな場合、当然起ってくべきはずの性慾はますます退縮して、ただわくわくするような興奮で身の内が火のように震えだした。そして時々氷....
想片」より 著者:有島武郎
妨げられ、日光を精神として浴びることができなければ、それはその人の生命のゆゆしい退縮である。マルクスはその生命観において、物心の区別を知らないほどに全的要求を持....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
あり或は自由であり得るといおう。その宿命的である場合は、その生活が正しき緊張から退縮した時である。正しい緊張に於て生活される間は個性は必ず絶対的な自由の意識の中....
近時政論考」より 著者:陸羯南
ら学者の機関たる『明六雑誌』の類も暫時にして廃刊し、言論の自由はこれよりようやく退縮の期に臨めり。 第二期の政論 第一 民権論派 道理を証明....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
散は我々を吹払う風である。 ▲文明とは物質生活の膨張であって、同時に精神生活の退縮である。文明を呪う声が精神生活の側から生ずるのは当然である。 ▲或る人が来....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
に独立の気力あらざれば文明の形を作るもただに無用の長物のみならず、かえって民心を退縮せしむるの具となるべきなり。 右に論ずるところをもって考うれば、国の文明は....
教育の事」より 著者:福沢諭吉
てかつ大なり。ここにその一を述べん。かの政談家の常に患《うれ》える所は、結局民権退縮・専制流行の一箇条にあり。いかにも人間社会の一大悪事にして、これを救わんとす....
文明教育論」より 著者:福沢諭吉
ならしめんとするときは、かえってその人の天資を傷い、活溌|敢為《かんい》の気象を退縮せしめて、結局世に一愚人を増すのみ。今日の実際においてその例少なからず。され....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
代の製粉界の改良第一を語るものであった。そうして同時にまた年久しきシトギ文化の、退縮を意味するものである。物固い旧家だけでは、神祭の餅ばかりは古風によって、生粢....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
果されないでいる。 やがて綱が出された。身軽になった助七は夫を肩にかけて、瀑が退縮する際に残したものらしい瀑の左岸の崖を攀じ登って、綱を付けると下りて来た。夫....