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「退軍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

退軍の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
な知識の塔が、脆くも崩壊しつつある惨状を眺めているかのようであった。法水の歴史的退軍――これこそ、捜査史上空前ともいう大壮観ではないか。 二、宙に浮ん....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
月十九日の朝、丸根を陥した後大高に居ったが、晩景になって義元の敗報が達した。諸士退軍をすすめたが、元康|若し義元生きて居たら合わす顔がないとて聞かない。処に伯父....
長篠合戦」より 著者:菊池寛
家康の連合軍が、敗れ難い陣容と準備とをもって来ったのを見抜いて居た。 内藤等は退軍をすすめ、若し敵軍跡を追わば、信州の内に引入れて後戦うがよいとした。勝頼は聴....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
けにはゆかなかった。此状勢を保って居られる筈はないから、早々陣を引払って、次第に退軍しようと試みた。先に長秀の応援でいい加減気を腐らして居た盛政の軍は、今また秀....
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
まだ積極的な態度であったが、これ以後の日本軍は処々の戦勝あるとは云え、大局に於て退軍の兆が現れるようになった。だが、その間に在って、碧蹄館の血戦は、退き口の一戦....
島原の乱」より 著者:菊池寛
、敗るれば罪我に帰すとして兵を出そうとしない。重昌は忠茂の孤軍奮闘するを危んで、退軍を命ずるが、土民軍に軽くあしらわれた怒りは収らず、なかなか服しようとはせず、....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
意を討たれたので吃驚した上に、地理も悪いから、一|雪崩《なだ》れになって三方共に退軍した。この時二の手で目付役の軍監を兼ねていた佐久間大学(賤《しず》ヶ|嶽《た....
三国志」より 著者:吉川英治
ことしか考えていなかったが、陸遜は、断じて、その唸きに活を入れた。 「このまま総退軍しては、曹操は呉に対して、いよいよ必勝の信念を持つ。また味方の兵も、魏は強し....
三国志」より 著者:吉川英治
があった。幕将たちは躍起となって再び彼に迫った。 「孔明の退く手口を見ると、緩歩退軍の策です。一面退却一面|対峙の陣形をとりながら、極めて平凡な代りに、また極め....
私本太平記」より 著者:吉川英治
よめいた。 「新田勢のあわてぶりよ。逃げるに急であとの舟橋を断り落して行く大事な退軍の常法すらも忘れている――」と。 が、尊氏は、 「はて? うかと渡るな」 ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
「……察するに、今日の烈風、敵も利ならずと考えて、決戦はあしたにと、俄に一時、退軍をみせたのであろう」 と、引き緊めて。 「油断はならぬ。明日こそは、われら....