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退陣
「退陣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
退陣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「禁酒の心」より 著者:太宰治
声で言って、立ち上り、「いくら?」という。 他のお客は、このあわれなる敗北者の
退陣を目送し、ばかな優越感でぞくぞくして来るらしく、 「ああ、きょうは食った。お....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
通告し来り(来年四月二十五日期限)、その余波もくらった形に見える。 小磯内閣の
退陣に当たり印象に残ったのは、米内海軍大臣の朗々たる声と率直な物の言い方、杉山陸....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
であることを確めた後、十九日の午後十一時すぎ月の出を待って道忠を案内として三河に
退陣したが、土寇に苦められながらやっと岡崎に着いた。着いて見ると岡崎城の今川勢は....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
て対陣し、持久の策を採らば、我軍の兵糧に心配ないのに対して、敵軍は事を欠いて自ら
退陣するであろう、と云った。跡部等は、何で信長ほどの者が引返そうや、先方から攻め....
「山崎合戦」より 著者:菊池寛
て娘婿にしたのにも拘わらず、朝倉征伐に行ったときその背後で背かれた。例の金ヶ崎の
退陣で、さんざんな目に会った。 「浅井が不足を感ずるわけはないが」 と云って、....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
た。 「殿、なんとなされましたな?」心配そうに訊いたものである。 「莫迦な話だ。
退陣だそうな」晴信は顔を顰めたものだ。 「雪が深うございますからな」顔を見い見い....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
《はさ》む。予しばしば観《み》しところ斥候は始終番し続け少しも自ら集めず、因って
退陣事終って一同の所獲を頒《わか》つと察す。彼らまた水を求むるに敏《さと》く、沙....
「作家と教養の諸相」より 著者:宮本百合子
寧ろ文学の世代としてのよりどころとして発足しようとしていた若い作家たちにとって、
退陣の形としてあらわれた過去の教養の尊重の流行は、多くの混迷をわきおこした。そし....
「一票の教訓」より 著者:宮本百合子
日連夜にわたる幣原、三土、楢橋の政権居据りのための右往左往と、それに対する現内閣
退陣要求の輿論の刻々の高まり、さらにその国民の輿論に対して、楢橋書記翰長は「院外....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
業を民主化するために、第一に必要な機構改革に着手し、従来の戦犯の会長と旧首脳部が
退陣したのちに、新しい会長高野岩三郎博士を選んだ。高野博士は、もと東大教授であり....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しよう、さあ、このままで一同引揚げたり」 こう言って、村正どんは手勢を引具して
退陣を宣告すると、夢うつつで、その声を聞き咎《とが》めたらしい爛酔の客が、 「な....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ろもあるけれども、何か苦しくて。徳さんの苦しさもわかり、歌子さんがそういう本質的
退陣を決心したのもいい気でやっているのではなかろうし。小説をかくのだそうです。
....
「赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
方を失うては、取り返しならぬこととなろう。……正成、今宵陣を引く所存じゃ」 「ご
退陣?」と、正遠も、孫三郎も、驚いたように眼を見張った。「一戦もお交しあそばされ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
軍を引くにさいして、エセックスは、それらの城門の一つへ自分の槍を突っ込みながら、
退陣の身ぶりを示して声高らかに叫んだものである。「城中にただの一匹でもミウミウと....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
案賛成の第一の理由であります。 第二には、日本の完全独立と平和確保のためにその
退陣を要求するものであります。お互いの愛する祖国日本は、昨年四月二十八日、独立国....