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送
「送〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
送の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
微笑《びしょう》。
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仲店の片側。少年はこの男を見
送ったまま、途方《とほう》に暮れたように佇んでいる。父親の姿はどちらを眺めても、....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
れて、どうしてもそれを許さなかった。
甚太夫は枕に沈んだまま、買い薬を命に日を
送った。しかし吐瀉は止まなかった。喜三郎はとうとう堪え兼ねて、一応医者の診脈《し....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
い人である。おぎんはこの夫婦と一しょに、牛を追ったり麦を刈ったり、幸福にその日を
送っていた。勿論そう云う暮しの中にも、村人の目に立たない限りは、断食や祈祷《きと....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
くゆらせながら、明い静かさの中に、うす青く消えてしまう。
「こう云うのどかな日を
送る事があろうとは、お互に思いがけなかった事ですからな。」
「さようでございます....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
が、こう賢造の方へ声をかけた。店員はほかにも四五人、金庫の前や神棚の下に、主人を
送り出すと云うよりは、むしろ主人の出て行くのを待ちでもするような顔をしていた。
....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
見せて一笑した。Mは彼の通り過ぎた後《のち》、ちょっと僕に微苦笑《びくしょう》を
送り、
「あいつ、嫣然《えんぜん》として笑ったな。」と言った。それ以来彼は僕等の....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
。わからなければ、勝手にするが好い。おれは唯お前に尋ねるのだ。すぐにこの女の子を
送り返すか、それともおれの言いつけに背くか――」 婆さんはちょいとためらったよ....
「墓」より 著者:秋田滋
て、もう考えも何もなくなってしまいました。わたくしはただ泣くばかりでした。野辺の
送りのさまざまな行事がとり行われている間は、わたくしの劇しい苦しみは、気でも狂う....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
不幸な決意をなすに到らしめたのか、原因は全く不明である。 何不足なく幸福に日を
送っているこうした人々を駆って、われと我が命を断たしめるのは、いかなる深刻な懊悩....
「初雪」より 著者:秋田滋
頑健で、ねッから欲のない男だった。こうして簡易な、健全な、穏やかなその日その日を
送っていれば、もうそれでよく、それ以外には望みというものを持っていない。 十二....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
わば出京せよと許可を得たり。 穂垂の息子が東京へエライ者になりに行くぞ目出とう
送りてやれよとて、親族よりの餞別見
送り、父はそれらに勇みを付けて笑いを作りて居ら....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
マーガレットは下宿人を置いて暮しを立てておったが、年老いてからは子供のミケルに仕
送りをしてもらい、一八三八年に歿くなった。 かように家が貧しかったので、ミケル....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
に友だちともなり、遊び相手ともなった。そして、休みの日の午後には年下の子供を家に
送って行ってやったが、偶然その子に綺麗な姉がいたり、あるいはその母親が善良な女房....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
しかし、彼等はしつッこい不幸に苦しむだけ苦しんで来たのだろう、死ぬまで幸福な日を
送ることが出来た――。....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
吹きつける肌寒い夜風位いには驚きません。歌論は歌論へ、秋月は歌心へ、帰り行く友を
送ってそこらまでの心算がやがて博多の街つづきである箱崎になんなんとする地蔵松原―....