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送り出し
「送り出し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
送り出しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
も汲《く》み分けてくれない腰ぬけの母に何か情無さを感じ勝ちだった。
お鈴は父を
送り出した後、一家のことを考える為にミシンの手をやめるのも度たびだった。玄鶴はお....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
っていた兵卒たちは、この音に元気を取り直したのか、そこここから拍手《はくしゅ》を
送り出した。穂積中佐もほっとしながら、彼の周囲を眺め廻した。周囲にい並んだ将校た....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
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朝日の光のさしこんだ部屋。主人は丁度戸をあけて誰《たれ》かを
送り出したばかりである。この部屋の隅のテエブルの上には酒の罎《びん》や酒杯《さか....
「或る女」より 著者:有島武郎
け挨拶《あいさつ》して座を立った。葉子は例の芸者のような姿のままで古藤を玄関まで
送り出した。
「失礼しましてね、ほんとうにきょうは。もう一度でようございますから....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ない。昨日東京から帰った筈。それ、衣更えの姿を見よ、と小橋の上で留るやら、旦那を
送り出して引込だばかりの奥から、わざわざ駈出すやら、刎釣瓶の手を休めるやら、女|....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
品をめちゃくちゃにふろしきに包みこんで帰って行ってしまった。 君を木戸の所まで
送り出してから、私はひとりで手広いりんご畑の中を歩きまわった。りんごの枝は熟した....
「断層顔」より 著者:海野十三
は、例の無電局の江川技師に頼み込み、木田の身体をもう一度分解して空間へ電波として
送り出し、それを別の局で受信してもう一度木田氏の身体を組立て直したのであった。そ....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
ある喞筒が、正しく一分間に六十回の割合で、この青年の血液を、心臓に代って、全身へ
送り出しているんです」 「ほほう」 と、検察官たちは、黒箱へ耳を寄せて、おどろ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
に考えることがあったので、
「じゃあ、行ってらっしゃいまし」
と、玄関で博士を
送り出したまま、自分は急いで研究室の方へ引返した。
新田先生は、室内にはいると....
「獏鸚」より 著者:海野十三
機にかけて、台本と較べながら、音画校正をやったのであった。ところが例の「カフェの
送り出し」のところで、玲子の云う台辞がまるで違っている個所があった。そこで彼は台....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
。 「帰るのか」 「ウン、雨が降りそうだからな」 わたしは黙々として彼を門口に
送り出した。彼は帽子をかぶって言った。 「いずれまた会おうよ。お邪魔して済まなか....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
いるのが生縄のお鉄で有った。 旅装束何から何まで行き届かして、機嫌|克くお鉄は
送り出して呉れた。 鉄無地の道行半合羽、青羅紗の柄袋、浅黄甲斐絹の手甲脚半、霰....
「「草紙洗」を描いて」より 著者:上村松園
いおとし黒主の奸計をあばくという筋なのです。 この作品はぎりぎりの十月十二日に
送り出して辛々間に合わせたのでしたが、随分|根をつめました。 松篁は羊の絵を制....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
もなれなかった。 帰宅すると客が応接室に待っていた、彼女は用談をすませ、玄関へ
送り出したのは、もうかれこれ一時近かった。 あと片づけに来た女中には早く休むよ....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
は彼女が、それだけいっそうつよく眼をさますためだ。さらに二、三の大きい作品を世に
送り出して、その後で一人の老いた子供のように、どこかの善良な人々の許へ行って、僕....