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「送り出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

送り出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ぶら》の浮いた顔を照させながら、もどかしそうな声を出す事もあった。 お蓮は彼を送り出すと、ほとんど毎夜の事ながら、気疲れを感ぜずにはいられなかった。と同時にま....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
が、こう賢造の方へ声をかけた。店員はほかにも四五人、金庫の前や神棚の下に、主人を送り出すと云うよりは、むしろ主人の出て行くのを待ちでもするような顔をしていた。 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と歳暮の礼とをかねて赤坂の家をたずねると、老人は二人連れの客を門口《かどぐち》へ送り出すところであった。客は身なりのなかなか立派な老人と若い男とで、たがいに丁寧....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
皮殻となった。それで地球の灼熱した表面が冷却すると、もう渦の外の方の部分へ粒子を送り出すことができなくなるので、従ってこの渦動が次第に衰える。すると今までは灼熱....
朱日記」より 著者:泉鏡花
済んで帰るとなる、大勢列を造って、それな、門まで出る。足並を正さして、私が一二と送り出す…… すると、この頃塗直した、あの蒼い門の柱の裏に、袖口を口へ当てて、....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
び上り、永らく中絶していた味方の艦隊との連絡をつけるために、搭載していた飛行機を送り出すと、手際も鮮かに、再び水底深く潜航して行った。 潜水艦から離れた艦上機....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
てくれました。それで東京の各新聞社も少なきは二、三人、多きは五、六人の従軍記者を送り出すことが出来たのでした。 勿論、それは内地を出発するまでのことで、戦地へ....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
男賊は女賊を促して、さっさと部屋から出ていった。庭園に面した戸は、二人の賊を送り出すと、元のようにぴったりと閉じられた。 加筆されて怪画となり果てた名画「....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
丹精じゃ。その婆々どのから、くれぐれも、よろしゅうとな。いやしからば。 村越 (送り出す)是非|近々に。 七左 おんでもない。晩にも出直す。や、今度は長尻長左衛....
獄中消息」より 著者:大杉栄
茂って、もう四、五尺のたけに延びた。さびしい秋の唯一の飾りで、かつやがては僕等を送り出す喜びの花になるだろうと、ひたすらにその咲き香うのを待っていた。 すると....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
も見ていられないので、親戚の娘と一緒にそれをなだめて、どうにかこうにか座敷の外へ送り出すと、上原は詫びやら礼やらを取りまぜて、すみませんすみませんと繰り返して言....
人造物語」より 著者:海野十三
のはおかしいが)があって、死んだ人造人間兵士を収容しては、早速修理を加え、戦線に送り出すことであろう。 こんな機械兵士の跳梁する時代には、その破壊力も、断然強....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
鳴った。……お久という人の、めんてんの足袋で帰るのを、立合わせた台所から、お悦が送り出すと、尖った銀杏返を、そそげさして、肩掛もなしに、冷い頸をうつむけて、雨上....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
だろう。」奥さんもこんな風に自ら慰めて見て、深い溜息を衝いた。 夫を門の戸まで送り出すとき、奥さんはやっと大オペラ座の切符を貰っていた事を思い出して臆病げにこ....
梟の眼」より 著者:大倉燁子
ない。 彼女は心の苦しみをかくし、つとめて元気らしく装っていた。軈て夫を玄関に送り出すと、早速実家へ電話を掛けてみたが、兄はまだ起きていなかった。急用が出来た....