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「送り迎え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

送り迎えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
かって鏡のほうを見やりながら、今まで閉止していた乱想の寄せ来るままに機敏にそれを送り迎えようと身構えた。 葉子はとにかく恐ろしい崕《がけ》のきわまで来てしまっ....
わが町」より 著者:織田作之助
点を重宝がられて、早速雇ってくれた。 給料はやすかったが、波止場からホテルへの送り迎えに客から貰うチップが存外莫迦にならず、ここで一年辛抱すれば、大阪へのよい....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
おる。 尤も、この時代には箱屋というのではなく、単にそうした傭女なり老母なりが送り迎えをしたに過ぎない。けれども、濫觴をたずぬればこれがそもそも箱屋の因みをな....
葛の葉狐」より 著者:楠山正雄
いてにっこり笑いながら出て来て、夫を迎えました。 こういう楽しい、平和な月日を送り迎えするうちに、今年は子供がもう七つになりました。それはやはり野面にはぎやす....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
っても好い。人の好い主君は、阿諛する旧臣下や芸人の輩に取巻かれて、徒に遊楽の日を送り迎えていた。またそれよりもわるいのは、いろいろの女性によって家庭の乱されたこ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
がさしていて、面のように調った顔の、眼や鼻に陰影がついている。 そういう嘉門を送り迎えるのは、手広い荒れ庭の草や木であった。 一所に花|柘榴の木があって、赤....
九段」より 著者:坂口安吾
には見るからに精を入れていらせられるけれども、運転手の公休日や寝た夜などにお客を送り迎えするのは旦那様方で、そのチームワークは至れりつくせりである。 さて、三....
安死術」より 著者:小酒井不木
すが、途中に十丈ほどの険阻な断崖がありますから、入学して一ヶ月ほどは女中のお清に送り迎えさせましたが、後には義夫一人で往復するようになりました。私が夕方、往診か....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
小さな標の石を建てました。私が小学へ通うようになってからは、お祖母様が散歩がてら送り迎えなどして下さる時、いつもお参りになりました。お祖父様は江戸からお国へお帰....
屏風祭」より 著者:上村松園
いるわけである。 絵物語式の大屏風になると、一曲縮図をとるのに三年もの祇園祭を送り迎えたこともある。 よく昼食を頂いたり、また夕御飯を出してくださったりした....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
に川を控えたる寂びたる村なれど、家数もやや多くて、蚕の糸ひく車の音の路行く我らを送り迎えするなど、住まば住み心よかるべく思わるるところなり。昼食しながらさまざま....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
よび親戚の人々も道筋の各所において、都合三遍の歓迎の宴会を開く。すべて六回ずつの送り迎えの宴会を経て花聟の家に達するのですけれども、この行路の送迎の宴会において....
西航日録」より 著者:井上円了
の風はとだえて月が輪のような姿をみせ、これをはるかにみるうちに船は英国の北の山を送り迎えてすすむ。一声の汽笛が船客の夢を驚かして、輪船はすでに愛蘭のベルファスト....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
吹断月如。 (海の風が吹きやんで月はまどかに見え、一望するうちに英国の北の山々を送り迎えて船は進む。汽笛一声は船客の夢を破り、外輪船はすでに愛蘭の湾内に入ってい....
雪の障子」より 著者:島崎藤村
来したのも、あの道だ。古いわたしの家に生れたものは、祖父も、父も、みな往時旅人の送り迎えに従事した人達であったから、雪が来るたびにわたしはいろいろなことを思い出....