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送り返す
「送り返す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
送り返すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「船医の立場」より 著者:菊池寛
かの青年たちを宥《なだ》めて、陸上へ返して下さい。ゲビス君! 君はかの青年たちを
送り返すために、ボートの用意を命じてくれたまえ」 そして、その命令は即時に実行....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
用は、というように手ぐすね引いていたのを見眺めると、咄嗟に命じました。 「空長持
送り返すも風情がない故、五六匹、主計頭に土産届けようぞ。ぼんやり致してふるえおる....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と涙をこぼします。 「うむ――」 竜之助は憤《いきどお》りを腸《はらわた》まで
送り返すために拳《こぶし》にまで力が入って、 「よう、あの頃のことを考えてみい、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の日、薬屋源太郎が丹後守へ挨拶に出て、 「あれも、お蔭をもちまして、明日、故郷へ
送り返すことに致しましたから……」 一通りの暇乞いの話を聞いた植田丹後守が、 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
世話をしてるのではありません、ああしてお身体が少し好くなったら、直ぐにみんなして
送り返すつもりでいるではありませんか」 「それはそうだけれども、この前のお方もそ....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
リリパットへ送り返してくれというのでした。 その返事はこうでした。私をしばって
送り返すことなど、とてもできないことは、すでにリリパット皇帝も知られるとおりだし....
「おとずれ」より 著者:国木田独歩
は貴嬢がこの正月五日御地より送りたまいし物の由。さてわれにも要なき品なれば貴嬢に
送り返すべきなれど思う節あればしばしわが手もとに秘め置く事といたしぬ。無益とは知....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
さん食う」ようになったからと言って月に十五フランを要求し、もし応じなければ子供を
送り返すと言って脅かした。彼は叫んだ。「女に勝手にされてたまるものか。隠していや....
「花子の陳述」より 著者:豊島与志雄
た。 それになお、その電波は特殊なもので、こちらの微細な反応を、そっくり先方へ
送り返すのでした。レーダーの極度に精緻なものだとも言えるようでした。こちらで思っ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
。わからなければ、勝手にするが好い。おれは唯お前に尋ねるのだ。すぐにこの女の子を
送り返すか、それともおれの言いつけに背くか――」 婆さんはちょいとためらったよ....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
わたしを嫌い出し、監督も大《おおい》に怒って、わたしの学費の支給を差留め、中国に
送り返すと言った。幾日も経たぬうちにこの監督さん自身も人から辮子を剪《き》られて....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
どこの辻まで送って来て、勝手働きのままだったから、玄関も廊下も晴がましい旅籠まで
送り返すのを猶予って、ただ一夜――今日また直ぐ逢う――それさえ名残惜そうに、元気....
「山道」より 著者:中里介山
はありますまい」 とまた一人がいう。 「飛んでもない事、迷信は我々を無智と野蛮に
送り返すが科学は我々をして今日の文明と未来の進歩を仰がしめる」 また一人が抗議....
「奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
は、それは熊送りというべきもので、平素彼らの食料となる熊を優遇し、これを神の国に
送り返すの意義だという。けだし熊は神がアイヌの食料として下されたものなるが故に、....
「城」より 著者:カフカフランツ
ゃないんだからね。それに、私は君たちのことを要求したんじゃないから、君たちをまた
送り返すことだってできたんだ。私は力ずくなんかよりむしろおだやかにそれをやりとげ....