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送葬
「送葬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
送葬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ちに深川の寺へゆき着いたが、葬式は極めて簡単なものであった。山城屋から三両という
送葬《とむらい》料を取って置きながら、こんな投げ込み同様のことをするとは随分ひど....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。小僧さん」 半七は外から声をかけると、小僧は入口へ起って来た。 「皆さんはお
送葬《とむらい》からまだ帰りませんかえ」 「まだ帰りません」 「小僧さん。ちょい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ですよ。現金なもんですね」 「師匠の寺はどこだ」 「広徳寺前の妙信寺です。去年の
送葬のときに私も町内の附き合いで行ってやったから、よく知っています」 「むむ、妙....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
せると、七月の日もかたむいて来た。露路のなかはひとしきり騒がしくなって、となりの
送葬もとどこおりなく出てしまうと、半七ひとりを残して庄太は再びどこへか忙がしそう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
というわけで、何もかもすっかり判ったろう。おれがこれだけのことを突き留めたのは、
送葬の日に子分の庄太の奴が植木屋のあとを尾けて行って、その居どころを確かに見きわ....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
宿屋に泊って居る中、煩うてお供さんが…おう/\それはお心細いことで、此の村方へ御
送葬になりましたかえ、それは御看経をいたしましょう、お頼みはなくとも知ればいたす....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
亡くなり、而してやはり隣の墓地に葬られました。大きな男でしたが、火葬されたので、
送葬の輿は軽く、あまりに軽く、一盃機嫌で舁く人、送る者、笑い、ざわめき、陽気な葬....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
葬送して林中に到る。折悪《おりあ》しく五百群賊盗みし来って、ここに営しいたので、
送葬人一同逃げ散った。群賊怪しんで捨て去られた屍を開き、妙光女魂既に亡《うせ》た....
「空車」より 著者:森鴎外
人も避ける。貴人の馬車も避ける。富豪の自動車も避ける。隊伍をなした士卒も避ける。
送葬の行列も避ける。この車の軌道を横たわるに会えば、電車の車掌といえども、車をと....
「魚玄機」より 著者:森鴎外
老婢が死んだ。親戚の恃むべきものもない媼は、兼て棺材まで準備していたので、玄機は
送葬の事を計らって遣った。その跡へ緑翹と云う十八歳の婢が来た。顔は美しくはないが....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
土ほこりがたった。大通りの曲がり角から三年生の一隊があらわれた、かれらはちょうど
送葬の人のごとくうちしおれてだまっていた、そのまっさきに木俣ライオンが長い旗ざお....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
終ったこの戦死者に対して、厳粛な敬礼を行った。 『最上』の軍楽隊は、悲しい悲しい
送葬の曲を奏した。さみしい調《しらべ》が、波の上を流れた。 「きっときっと仇《か....
「父の墓」より 著者:岡本綺堂
取捨られつ、ただ白木の位牌と香炉のみありのままに据えてあり。この位牌は過ぎし九日
送葬の朝、わが痩せたる手に捧げ来りてここに置据えたるもの、今や重ねてこれを見て我....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
五十銭)なりという。 ローマ宗葬式のときは、刷毛体のものあり、これを水に湿し、
送葬のものをして代わる代わるその柄をとりて、一、二滴を棺の上に振り掛けしむ。あた....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
る思いもなく、別離を告げている。その中には春山もあった。春山へは日頃のよしみに、
送葬の事を依頼したであろう。葬儀は藩葬とされて、国主の名代も立ち家中の諸士も列し....