逃げを張る[語句情報] » 逃げを張る

「逃げを張る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

逃げを張るの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坑夫」より 著者:夏目漱石
た。云わばいきみ出した答である。大抵の事ならやって退《の》けるが、万一の場合には逃げを張る気と見えた。だからやりますと云わずにやる気ですと云ったんだろう。――こ....
縮図」より 著者:徳田秋声
、うき世で待っているとか言ってたわ、と言うのよ。私もどうしようかと思ったけれど、逃げを張るにも当たらないことだから、春芳さんを抱いて行ってみたの。ところがしばら....
戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
けに、さすがにうまいことを言った。雨のような詰問《きつもん》を外して、けんめいに逃げを張る。とうとう石の壁に衝《つ》き当って、そこで全裸にされた形だ。第二号はに....
助五郎余罪」より 著者:牧逸馬
もございません」 と暗に助五郎の来訪を迷惑がるような口吻を洩らして、それとなく逃げを張るだけの用心も忘れなかった。 助五郎は黙っていた。脚を二つに折って、き....
モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
い。まだその時分には、牛肉を煮る匂いをきらった老女は多かったのだ。異人さんではと逃げを張るのは、こうなると、母親が頼みだ。 しかし、お母さんを救いの手に持ち出....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
」 かれの声も、勢い、やや激調をおびた。 「そちなどに、答える限りでない」 「逃げを張るな、弦之丞!」 「なにッ?」 「なんじ、燈火の恩を知って、太陽の恩を知....