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「逃げ場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

逃げ場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
ん》の手にでもかかろうものなら、どんな目に遭《あ》うかも知れませぬ。 「そこで、逃げ場をさがす気で、急いで戸口の方へ引返そうと致しますと、誰だか、皮匣《かわご》....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
余の一策しか残っていない。そこで、彼は、事によったら、犬が追いあぐんで、どこかに逃げ場ができるかもしれないという、一縷《いちる》の望みにたよりながら、打ちはずし....
或る女」より 著者:有島武郎
葉子のヒステリーはだれかれの見さかいなく破裂するようになったがことに愛子に屈強の逃げ場を見いだした。なんといわれてもののしられても、打ち据《す》えられさえしても....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ちろんそのために彼は敵を得たが、しかし新教国たるオランダ及びスウェーデンに安全な逃げ場所を見出した。惜しいことには彼はスウェーデンへ来ると間もなく罹った病気のた....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
音とがゴッチャになって、階下から響いてきた。出口にいた城山刑事に遮られて、怪漢は逃げ場を失い、そこで三人|入乱れての争闘が始まっているのであろう。 しかし私は....
深夜の市長」より 著者:海野十三
もう完全に封鎖されていた。この上は本当にも嘘にも、いま声をかけてくれた道一方しか逃げ場がないのだ。――僕はもう覚悟をきめて、 「おい、頼むよオ」 と叫んで、ヒ....
大使館の始末機関」より 著者:海野十三
ずしんずしんといやに底ひびきのする足音が聞える。醤は、泡をくっているうちに、逃げ場を失い、またもや卓子の下にごそごそと匐い込んだ。 卓子のシーツの裾が、ま....
一坪館」より 著者:海野十三
も見かけないんで、私は気がかりでなりません」 「どうしたのかね、ひょっとすると、逃げ場所が悪かったんじゃないかね。濠の中にずいぶん死んでいるというからね」 二....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
「今日は鷹の御機嫌が悪るかったんだ」 「鷹が悪いんじゃない、雀が悪いんだわ、雀が逃げ場を失って達也さんの肩に止ったの、そこへ鷹が降りて来て――、達也さんが動かな....
寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
のした事を知らすまいとして春夫を騙して表へ連れて逃げだした。ああしかし、僕はもう逃げ場を失ってしまった。よしんば逃げ場があったとしても、どうして傷付いたこの心が....
続獄中記」より 著者:大杉栄
向うのだ。これほどいい人間製作法が他にあろうか。 世間的生活は広い。いくらでも逃げ場所はある。したがってそこに住む人間の心はとかくに弛緩しやすい。本当に血の滴....
心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
た。非常を報《しら》せる太鼓はとうとうと鳴った。出口、出口を塞がれて九郎右衛門は逃げ場に迷った。ひとつ所を行きつ戻りつして暫くは捕手の眼を逃れていたが、その夜の....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
て、第二の男は袋を投げ捨て、窓より表へ飛び出して、下のかたへ逃げ去る。第一の男は逃げ場をうしない、隠し持ったるピストルを取り出して、つづけて二発撃つ。その一発は....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
振りはなして、もとの露路の奥へ引っ返して駈け込んだ。常吉はつづいて追ってゆくと、逃げ場を失ったものか但しは初めから覚悟の上か、かれはそこにある井戸側に手をかけた....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いたかと思ううちに、二、三町先がもういつの間にか燃えているので、前後をつつまれて逃げ場をうしなった類焼者は、風と火に追いやられて海辺の方へよんどころなく逃げあつ....