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「逃腰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

逃腰の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
くて、肝腎の鍛冶の方でございました。 これに辟易《へきえき》した一同は、思わず逃腰《にげごし》になったのでございましょう。揉烏帽子《もみえぼし》も立《たて》烏....
人間失格」より 著者:太宰治
世の中の全部の人の話方には、このようにややこしく、どこか朦朧《もうろう》として、逃腰とでもいったみたいな微妙な複雑さがあり、そのほとんど無益と思われるくらいの厳....
少女地獄」より 著者:夢野久作
オオ――オオ(拍手)どうだいフロックの先生。雇ってくんないかい」 私はいよいよ逃腰になってしまったが、その時に向うの扉が静かに開いたので、もしやと思って固くな....
東京八景」より 著者:太宰治
Hたちに軽蔑されたくらいであった。何も出来なかった。そのうちに洋画家は、だんだん逃腰になった。私は、苦しい中でも、Hを不憫に思った。Hは、もう、死ぬるつもりでい....
S岬西洋婦人絞殺事件」より 著者:夢野久作
吾々の手に合う事件じゃない。毛唐人の気持なんか吾々にわからないんだから……などと逃腰になる者さえ居た。 以上の報告を司法主任の警部から詳細に亘って聴取したR市....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
は勇猛|鷙悍《しかん》の威勢を望み見て、こいつは敵《かな》わないとヒョコスカして逃腰になり、度を失い騒ぎかえるのである。聞怯じよりはまだしもであるが、士分の真骨....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
振り向いた顔に強いられて少し浮腰のまゝ、気まり悪るげに左肩へ首をすぼめて、一たん逃腰になったが、父親ののがさない命令に急激な決心を極めた。彼女は一足跳ねたダンス....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
嫌いだ。こそこそまるで悪いことでもしてるように、巧くもない文章を紙に書き並べて、逃腰半分で打明けるなんてのは、第一、男らしくもないし、……それに卑怯だ。もちろん....