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「逃足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

逃足の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
で落ちて来た。救援を求める使は、踵を接して北京に至る有様である。あんまり朝鮮王の逃足が早いので、一明使は朝鮮王が、日本軍の先鋒を承って居るのではないかと疑ったが....
近眼芸妓と迷宮事件」より 著者:夢野久作
い狼狽した事はなかったね。社会主義者なんていうのは、見掛によらない敏感なもので、逃足の非常に早いものだという事がこの時分からわかっていたからね。 「ウン直ぐに行....
火星兵団」より 著者:海野十三
がて空中へ飛出した宇宙艇は二隻ではなかった。その数は、およそ三、四十隻、いずれも逃足のついた臆病連中ばかりであった。 そうでもあろう。命と頼む宇宙艇が煙となっ....
空襲警報」より 著者:海野十三
をかえして、太平洋の方へ逃出すものがある。のがすものかと追いかける戦闘機、中には逃足を軽くするため、折角積んで来た五トンの爆弾を、へどのように海上へ吐き出して行....
」より 著者:織田作之助
って、ふと彼の姿を見つけると、ほッとしてずいぶんいそいそした。しかるに豹一は半分逃足だった。会わす顔もないと思っていたところを偶然出くわしたので、まごまごしてい....
郷愁」より 著者:織田作之助
をどこまで追って行っても、世相を捉えることは出来ない。目まぐるしい変転する世相の逃足の早さを言うのではない。現実を三角や四角と思って、その多角形の頂点に鉤をひっ....
天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
たあんさんでえ、この辺の泥っ臭え奴等に負けてたま……お、居ねえ、弱いのも弱えが、逃足も早い。アハハハ、いい気持だ。見ろ、あにき、半助親方ドスを担いで逃げて行かあ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
しく、頭を回らして一散に逃げ出した。市郎は何処までもと其後を追ったが、敵は非常に逃足が疾い。森を出抜ける頃には、既に十五六|間も懸隔たって了った。 「畜生……到....
斬られの仙太」より 著者:三好十郎
たあんさんでえ、この辺の泥っ臭え奴等に負けてたま……お、居ねえ、弱いのも弱えが、逃足も早い。アハハハ、いい気持だ。見ろ、あにき、半助親方ドスを担いで逃げて行かあ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
落ちかけている。 口程もなく、藤次と名乗った賊の頭目は、小手の傷を抑えながら、逃足早く、沢から上へ駆け上ってゆく。 ざざざ、と土の落ちてくる後を辿って、武蔵....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
て、 「夕方、大工町でちらと見かけて、確かに、この辺までは追いこんだものを。――逃足の早い奴」 「どこへ失せたか」 川波の音が、耳につく。 三名はなお佇んだ....
ゆめの話」より 著者:室生犀星
長町三番|丁はどうまいるのか、教えてくれ。」 が、女はそのときこんどは明らかな逃足になり、川岸を左へ曲り、暗い椎の木のある筑土の角へ曲ろうとしました、そこは多....