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「逆手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

逆手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
そばに足早に近づいた。そして内ぶところに隠し持ったナイフをキラリと抜くや、それを逆手に持ってアネットの心臓の上をめがけてただひと突きとばかり腕をふるったが、この....
麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
してしまうのですね。これは屡々河口警部のお使いになる手で、私のは機を覘ってうまく逆手に用いて成功させたのです。しかし逆手をつかったことといい、犯罪を目の前にみて....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
、身体中が隙だらけであるかのように見えた。もし彼に怨恨のある前科者どもが、短刀|逆手に現われたとしたらどうするだろうと、私は気になって仕方がなかった。 すると....
蠅男」より 著者:海野十三
変なことになった。 「神妙にせんか。こいつ奴が――」 素早く飛びこんだ警官に、逆手をとられ、あわれ酔払いの帆村は、高手小手に縛りあげられてしまった。その惨めな....
地球盗難」より 著者:海野十三
か、遂に爆発もしないで終った。学士は無意識に、納屋の壁に立てかけてあった鍬の柄を逆手に握って身構えをした。 その途端に、空気を裂く烈しい羽音(と思った)と共に....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
電話のベルがじりじりなりだした。 「ええい、うるさい」 リーロフは、空の酒壜を逆手にとって、電話器になげつけた。 壜はがちゃんとわれて、破片が、そこら一面と....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
まあ、よく、まあ、早う帰って下さいました、ねえ。 晃 (百合を背後に庇い、利鎌を逆手に、大勢を睨めつけながら、落着いたる声にて)ああ、夜叉ヶ池へ――山路、三の一....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
。……饂飩屋の門に博多節を弾いたのは、転進をやや縦に、三味線の手を緩めると、撥を逆手に、その柄で弾くようにして、仄のりと、薄赤い、其屋の板障子をすらりと開けた。....
海の使者」より 著者:泉鏡花
なその容体。泡を払うがごとく、むくりと浮いて出た。 その内、一本根から断って、逆手に取ったが、くなくなした奴、胴中を巻いて水分かれをさして遣れ。 で、密と離....
露肆」より 著者:泉鏡花
買い下さい、まだ確な証拠というたら、後脚の爪ですが、」 ト大様に視めて、出刃を逆手に、面倒臭い、一度に間に合わしょう、と狙って、ずるりと後脚を擡げる、藻掻いた....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
果は丘のごとく、葉を累ねた芭蕉の上に、全身緑の露を浴び、白刃に青き雫を流して、逆手に支いてほっと息する。 褄取りながら、そこへ来て、その人が肩を並べた。 ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
。 するする攀上って、長船のキラリとするのを死骸から抜取ると、垂々と湧く血雫を逆手に除り、山の端に腰を掛けたが、はじめて吻と一息つく。――瞰下す麓の路へ集って....
式部小路」より 著者:泉鏡花
撲にゃ己が負けた、刃物で来い。) とこちらも銀でさ。すぐに店へ駆け出して剃刀を逆手に取って構えたでしょう、もう目が据って、唇が土気色。」 「どうしたい。」 「....
註文帳」より 著者:泉鏡花
う痩せた指で、剃刀を握ったまま、顔の色をかえて、ぶるぶると震えたそうじゃが、突然逆手に持直して、何と、背後からものもいわずに、男の咽喉へ突込んだ。」 五助は剃....
活人形」より 著者:泉鏡花
騒立ちて腹は浪打つごとくなり。全体虫が気に喰わぬ腸断割って出してやる。と刀引抜き逆手に取りぬ。 夜は正に三更万籟死して、天地は悪魔の独有たり。 (次三郎とは本....