逆行[語句情報] »
逆行
「逆行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
逆行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
現象が現われたのです。ですから、その新しい力を与えられた飛去来器は、再び来た線を
逆行して、もとの杏丸氏の実験室の中へ飛び込んでしまったのですよ」 そうなってみ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
どうしたわけだか、ピタリと停まり、しかもジンジンとエンジンを高鳴らしながら徐々に
逆行してきた。その車窓からは、立派な河獺の襟のついたインバネスを着た赭ら顔の肥満....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
渡せ」というリンチ隊が、あとからあとへと、入りかわり立ちかわり押しかけては、時代
逆行の珍現象を呈した。それを鎮撫するのに、陸軍大臣に麻布第三連隊に総動員を命ずる....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
警部補は苛立たしげに舌打ちする。自動車はクルリとカーブを折れて、いままでの進路と
逆行するように、十国峠の方を向いて走りだした。 S字カーブの尻は、大きな角張っ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
、頭目が毒矢銃をぴったりとおしつけた。 「自業自得だ。頭目をだしぬこうなんて、反
逆行為だ。反
逆行為の刑罰はどんなものだか、知っているだろう」 向うを向いて、重....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
てあせっている。だから私は云うのだよ、慾を少なくして、足るを知れと。つまり浮世と
逆行するのだ。その
逆行が徹底した時に、桃源郷が現じ出してくる。……誰も彼も桃源郷....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
くには、あいつばかりがこんな時世に、廉潔を保っているなんて、途方もない売名家だ。
逆行して名を売ろうとしているのだ。あいつこそ本当は悪党だと悪党から悪党視されるこ....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
ていた。そうかと思うと間髪を入れずして射撃手の席に座を占めている。白い煙。砲車の
逆行。薬莢の抛擲。弾薬の運搬。ああ。見ていて眼が痛くなるほどの早さである。もうそ....
「演劇への入口」より 著者:岸田国士
在理由は、まさにこの空隙を埋めるものであろう。 これと同じ理由で、演劇は時代に
逆行し、または時代を
逆行させる役割を演じやすい。社会に潜在する因襲の根は、さまざ....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
描こうとする努力のうかがわれる小説をきらいだと断言する上林暁が、近代小説への道に
逆行していることは事実で、偶然を書かず虚構を書かず、生活の総決算は書くが生活の可....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
く何時までも試み以上に一歩も進めまい、と言う事に納得がいく事と思う。短歌の本質に
逆行した、単に形式が57577の三十一字詩形である、と言う点ばかりの一致を持った....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
世にも夢かと思ふかな、卯月の末に秋風ぞふく 晩に至り風力ようやく加わり、これに
逆行して進む。ゆえに船少しく旋動す。 風払竜是北濠。 (風は船の煙を吹き払って波....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
外界の自然のありさまを手本にでも見習うような放縦な生活は、どうあっても「真理」の
逆行です。この心得違いは、二千五百年のむかし、釈尊の活躍しておられた印度にもかな....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
海の一面が見えた。 あ、黒い黒い韃靼海。 真夏の巻雲。 まさしく、自動車は
逆行しつつある。と思う刹那にまた山頂の一角を繞った。椴松の原野がまた眼下に見えて....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ある。若し国家連合の理論を否定する事があるならばそれはあまりにも人類歴史の大勢に
逆行するものであり、皇国は世界の落伍者たる事を免れ難き事明瞭である。興亜院当局の....