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逆鱗
「逆鱗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
逆鱗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
嫌に逆《さから》った時は、必ず人をもって詫《わび》を入れるのが世間である。女王の
逆鱗《げきりん》は鍋《なべ》、釜《かま》、味噌漉《みそこし》の御供物《おくもつ》....
「自転車日記」より 著者:夏目漱石
が、西洋人の論理はこれほどまで発達しておらんと見えて、彼の落ち人|大《おおい》に
逆鱗《げきりん》の体で、チンチンチャイナマンと余を罵《ののし》った、罵られたる余....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
サヴェジ・チーだ、サヴェジ・チーだ」と口々に罵《のの》しる。主人は大《おおい》に
逆鱗《げきりん》の体《てい》で突然|起《た》ってステッキを持って、往来へ飛び出す....
「李陵」より 著者:中島敦
将軍にしてからが兵力不足のためいったん、大宛《だいえん》から引揚げようとして帝の
逆鱗《げきりん》にふれ、玉門関《ぎょくもんかん》をとじられてしまった。その大宛征....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
かった。直言※議《ちょくげんとうぎ》、諱《い》まず憚《はばか》らず、時には国王の
逆鱗《げきりん》に触れるほどの危きをも冒し、ますます筆鋒を鋭くして、死に至るまで....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
数を具え、その声銅盤を戞《う》つがごとし、口旁に鬚髯あり、頷下に明珠あり、喉下に
逆鱗あり、頭上に博山あり、尺水と名づく、尺水なければ天に昇る能わず、気を呵して雲....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
、少しく癪《しゃく》に触《さわ》る者あればすなわち指さして殺すので、天帝すこぶる
逆鱗あり、ヴィシュニュの前身フラ・ナライ(那羅延)に勅して彼を誅《ちゅう》せしむ....
「連環記」より 著者:幸田露伴
いう強いことを言われても、急所に触れないのは捨てても置けるものであるが、たまたま
逆鱗即ち急所に触れることを言われると腹を立てるものである。グッと反対心敵対心の火....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
と蜷局を巻いた、胴腹が白くよじれて、ぶるッと力を入れたような横筋の青隈が凹んで、
逆鱗の立ったるが、瓶の口へ、ト達く処に、鎌首を擡げた一件、封じ目を突出る勢。 「....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ほど前に来たお客さんなのさ。嘉門の可愛がっているお小間使いと、ちちくり合ったのが
逆鱗にふれて、ここへぶちこまれた若造なのだ。女が恋しいの逃げ出したいのと、狂人の....
「おみな」より 著者:坂口安吾
れてはいないが然し愛さずにはいられない、女なしに私は生きるはりあいがない。貴殿の
逆鱗にふれることは一向怖ろしくもないのだが、偽悪者めいた睨みのきかない凄文句では....
「道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
れを後援せんとはしなかったのである。清麻呂は道鏡の投じた大臣の好餌を捨て、天皇の
逆鱗と道鏡の激怒とを顧慮するなく、身命を賭して神教を伏奏した。「我が国開闢以来君....
「法然行伝」より 著者:中里介山
れて、遂に断りなく出家をしてしまった。後鳥羽院遷幸の後、そのことを聴かれて、大に
逆鱗《げきりん》あり、翌年二月九日住蓮、安楽を庭上に召されて罪を定むる時、安楽房....
「妻」より 著者:神西清
し若けりゃ、兎みたいに跳びだして、耳で風を切って廻るんだがな。」 妻のにわかの
逆鱗は、私に自分たちの夫婦生活を思い出させた。以前にはこうした赫怒のあとでは、お....
「「エタ」名義考」より 著者:喜田貞吉
を賤んで穢人の名を命じたとは、あってもよかりそうな事である。和気清麿が称徳天皇の
逆鱗に触れて、その名を穢麿と改められたのは、「清」に反対の「穢」の名を取ったまで....