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「透かさず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

透かさずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
きり答にためらったようでございましたが、その気色《けしき》を見てとった平太夫は、透かさず声を励まして、 「そうじゃ。それがまた何と致した。」 「いや、何とも致さ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
』と一本参ると、さすがは女で、もう行き詰まってぐうの音《ね》も出ません、こっちは透かさず高飛車に出て『さあ、さあ、案内しろ』と、お京を追い立てて二階へあがると、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ているかも知れませんが……」 何か思いあたることでもあるらしい口ぶりに、半七は透かさず訊き返した。 「世の中には外道《げどう》の逆《さか》恨みと云って、自分の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
度にみだれて彼の真向へさっと飛んで来た。 眼つぶしを食って怯むところへ、半七は透かさず飛び込んでその刃物をたたき落とした。葱鮪の鍋の引っくり返った灰神楽のなか....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
。とその幽な音にも直ちに応じて、コロコロ。少し心着いて、続けざまに吹いて見れば、透かさずクウクウ、調子を合わせる。 聞き定めて、 「おや、」と云って、一段｜下....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
柳橋と見えるでしょう。」 「あら、可厭だ。」 「四つ、」 と今度は、魯智深が、透かさず指を立てて、ずいと揚げた。 すべてがこの調子で、間へ二ツ三ツずつ各自の....
「地球盗難」より 著者:海野十三
ちん。……」 といって甚平は額から脂汗を流しながら、ふと押し黙った。佐々記者は透かさず、 「実に変なものだったネ、あれは……。しかし後で三人で話し合ったところ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
た船頭は、腰に差していた斧を無意識に抜き取って、右の手に引提《ひっさ》げたまま、透かさずお角の後を追蒐《おっか》けました。 乗合全体は総立ちになる途端に、大揺....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
煙に包まれた。 「いつもの上段の室でございますことよ。」 と、さすが客商売の、透かさず機嫌を取って、扉隣へ導くと、紳士の開閉の乱暴さは、ドドンドシン、続けさま....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
されていた。二人は男の眼の行く方を見護ったが、男は次第に復「にッたり」に反った。透かさず女は恐る恐る、 「何卒わたくし不調法を御ゆるし下されますよう、如何ように....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
他の一人は宰領、他の一人は荷かつぎ。 美少年ひとりだけが現場に残って、あとは、透かさず三名の恨みの片割れを追撃しに出かけて行ってしまいました。 まもなく、彼....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 「あぶねえ」 驚いた七兵衛は、身をかわして飛び退きましたが、神尾の槍先は、透かさずそれを追いかけて来る。ために七兵衛は、御行《おぎょう》の松を楯に三たびば....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
可笑しかったことには赤木と俳談を闘わせた次手に、うっかり蛇笏を賞讃したら、赤木は透かさず「君と雖も畢に蛇笏を認めたかね」と大いに僕を冷笑した。僕は「常談云っちゃ....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ですよ」 「それが取りも直さず、孔雀明王の秘蹟では御座いませんか？」と盤得尼は、透かさず眉を張って尚も執拗に奇蹟の存在を主張するのだった。それを、法水は冷笑で酬....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
かび上った。そして、ゴクゴク咽喉を鳴らして、唾を嚥み込もうとしているのを、法水は透かさず追求した。 「僕は、不図した機会から、誰一人知らない――君と幡江との関係....