» 透き徹

「透き徹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

透き徹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
は、丁度|地獄《じごく》の底に当って居りますから、水晶《すいしよう》のような水を透き徹して、三途《さんず》の河や針の山の景色が、丁度|覗《のぞ》き眼鏡《めがね》....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
》いから、十五と少しにしかならない。痩《や》せぎすであったけれども顔は丸い方で、透き徹るほど白い皮膚に紅味《あかみ》をおんだ、誠に光沢《つや》の好い児であった。....
「呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
筋の流れが走っている。覗くと水隈だけ見えて、水は眼にとまらぬ程きれいに底の玉石へ透き徹っていた。谷畑から採って来た鮮かな山葵の束が縁につけてあるのがくんくん匂う....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
トゲルフ》そのものであろうが、それに引きかえ顔立ちには、全然それとはそぐわない、透き徹った理智的な、むしろ冷酷ではないかと思われるような峻烈なものがあって、その....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
のになってしまった。 まったく着物のままざんぷりと水に漬けて、どこからどこまで透き徹してしまっても、たぶん彼には、女性以外の特徴が見出されないに相違ない。そう....
「冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
線である。たとえ人はそのなかでは幸福ではないにしても、そこには私の眼を澄ませ心を透き徹らせる風景があった。 「平俗な日なため! 早く消えろ。いくら貴様が風景に愛....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
読む。ロダンはいう。「人の体も形が形として面白いのではない。霊の鏡です。形の上に透き徹って見える内の焔が面白いのです。」 この三篇はいつも識者からはそのどれか....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
の有る事は知って居る、余自ら怪美人と云う綽名を加えた程だから、玲瓏《れいろう》と透き徹った身の上とは思わぬ。「秘書官」と云う著者で文学の嗜みのある事も分り今夜の....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
り、 試験したりして、新しい物を発見したがるに過ぎませぬ。 霊の力の静かな指で、透き徹る形を築き上げて、 その結晶の永遠な沈黙の中に、 上の世界の出来事を窺うの....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
いし日向は少し熱い。晴れた青空に拡がる丈枝を伸した水楢などの大木の若葉が、日光に透き徹って豊麗な生々した黄金色に冴えている。飛び交う羽虫の翼が其間からひらひら閃....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
ながら立っていると、まだ夜の気の彷徨うている谷の向う河岸や此方の林の中で、青蜩が透き徹るような声で鳴き初めた。夕暮にこの蝉が鳴くと、妙に寂しい落ち着かない気分に....
「雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
《かじ》かんで一と塊に圧しつけられている。その背後から陶器の盃でも伏せたように、透き徹っているのは、言うまでもなく富士の山だ。思いがけなく頭の上が、二、三寸ほど....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
たく光っている、嘉代吉や人夫の寝顔までが、月のうす明りで、芋虫のうす皮のように、透き徹って見える、崖の方を見ると、雲の絶え間から、万年雪が玻璃の欠片のように白く....
「家」より 著者:島崎藤村
い屋造の内へ静かな光線を導くものは、高い明窓で、その小障子の開いたところから青く透き徹るような空が見える。 「カルサン」という労働の袴を着けた百姓が、裏の井戸か....
「家」より 著者:島崎藤村
、僅かばかりの木が植えてある。中でも、八手だけは勢が好い。明るい新緑は雨に濡れて透き徹るように光る。青々とした葉が障子の玻璃に映って、何となく部屋の内を静かにし....