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透明
「透明〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
透明の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
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往来の角《かど》に立っているポスト。ポストはいつか
透明になり、無数の手紙の折り重なった円筒の内部を現して見せる。が、見る見る前のよ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
の家だったのです。チャックは僕を小ぎれいなベッドの上へ寝かせました。それから何か
透明な水薬《みずぐすり》を一杯飲ませました。僕はベッドの上に横たわったなり、チャ....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
所との間は、何百里と云う道程《みちのり》がある。そう思っている中に、足は見る見る
透明になって、自然と雲の影に吸われてしまった。
その足が消えた時である。何小二....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
白葡萄酒のコップとウイスキイのコップとが、白いテエブル・クロオスの上へ、うすい半
透明な影を落して、列車を襲いかかる雨の音の中に、寂しくその影をふるわせている。
....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
横顔。誰かの手はこの顔を捉え、マッサァジをするように顔を撫《な》でる。すると頭は
透明になり、丁度一枚の解剖図のようにありありと脳髄を露《あらわ》してしまう。脳髄....
「或る女」より 著者:有島武郎
なく眠っていた。戸板の杉《すぎ》の赤みが鰹節《かつおぶし》の心《しん》のように半
透明にまっ赤《か》に光っているので、日が高いのも天気が美しく晴れているのも察せら....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ベ、ニセコアンの連山も川向いの昆布岳《こんぶだけ》も手に取るようだった。夏の夜の
透明な空気は青み亘《わた》って、月の光が燐のように凡《すべ》ての光るものの上に宿....
「星座」より 著者:有島武郎
。今まで奥さんを眼の前にすえてふやけていた彼の頭はみるみる緊張して、水晶のような
透明さを持ちはじめた。数字がたんなる数字ではなくなった。いわばそれらは大きな兵士....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
て叢立ち急ぐ嵐雲は、炉に投げ入れられた紫のような光に燃えて、山ふところの雪までも
透明な藤色に染めてしまう。それにしても明け方のこの暖かい光の色に比べて、なんとい....
「親子」より 著者:有島武郎
厠に立った。縁板が蹠に吸いつくかと思われるように寒い晩になっていた。高い腰の上は
透明なガラス張りになっている雨戸から空をすかして見ると、ちょっと指先に触れただけ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
有害な占星学上の迷信に対しても痛烈な攻撃を加えた。 彼は、諸天体は無限に広がる
透明なる流体エーテルの海の中に浮んでいると説いた。この説のために、またモーゼの行....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
うに記憶して居ります。むろん酒もございました……濁っては居りませぬが、しかしそう
透明ったものでもなかったように覚えて居ります。それから飲料としては桜の花漬、それ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
る。 註――当時モーゼスの交霊会上には沢山の燐光が現われ、好条件の時にはその色が
透明で、青味がかった黄色であり、然らざる時は赤っちゃけて燻っていたとの事である。....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
野のうちに妙なものを見つけ出した。妙なものを?――と云うのは絶えずまわっている半
透明の歯車だった。僕はこう云う経験を前にも何度か持ち合せていた。歯車は次第に数を....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ことにした。その中に次のようなのがある。 「磁気を電気に変えること。」 「金属の
透明なること。」 「太陽の光を金箔に通すこと。」 「二つの金箔を電気の極にして、....