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途切れ途切れ
「途切れ途切れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
途切れ途切れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
えました。それからお敏が、この雷雨の蓆屋根の下で、残念そうに息をはずませながら、
途切れ途切れに物語った話を聞くと、新蔵の知らない泰さんの計画と云うのは、たった昨....
「或る女」より 著者:有島武郎
で内田の書斎にはいって行った。しばらくすると嘆息しながら物をいうような内田の声が
途切れ途切れに聞こえた。「上げるのは勝手だがおれが会う事はないじゃないか」といっ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
筈はなかった。彼女は幸次郎に嚇されて、ただふるえているばかりであったが、それでも
途切れ途切れにこれだけの事を語り出した。 「旦那とおかみさんとは去年の夏頃からた....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の問題はそれぎりで消えてしまって、話はやがて来る冬の噂、それもおげんの重い口から
途切れ途切れに語られるだけで、あんまり澹山の興味を惹かないばかりか、今夜も五ツ(....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
込むように帰って来た。 東屋氏は明らかにただならぬ興奮を押えつけているらしく、
途切れ途切れに言った。 「……あの細君、自分の亭主の死体が、見られないはずはない....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
な先生がよんだらば定めて面白いのでしょうが、なにしろ前講の若い奴が、横板に飴で、
途切れ途切れに読むのですから遣切れません。その面白くないことおびたゞしい。 お....
「露肆」より 著者:泉鏡花
、真白な油紙の上へ、見た目も寒い、千六本を心太のように引散らして、ずぶ濡の露が、
途切れ途切れにぽたぽたと足を打って、溝縁に凍りついた大根剥の忰が、今度は堪らなそ....
「不周山」より 著者:井上紅梅
けたまえ……」顔の下半部に白いもののはえている一つが、頭を上げ、嘔吐を催しつつ、
途切れ途切れにいうのであった。「助けたまえ……身どもは仙術を学ぶものである。懐劫....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
いう声々の凄じい中を縫って、例の老人の錆びた太い声が、祈りでも上げているように、
途切れ途切れではあったけれども、 「我が兄弟健在なれ! 勝利を神に祈れ! 教主マ....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
だいそれた不孝者! 親を捨て家出をして! ……」 やがて松女の感情の籠った、
途切れ途切れの声が響いた。 「でも……それでも……とうとうお葉や、よく帰って来て....
「光は影を」より 著者:岸田国士
、そのまゝ廊下を奥の病棟の方へすたすたと歩きだした。 その病棟の部屋々々から、
途切れ途切れに尾を引く、鈍い笛のようなうめき声が聞えて来た。 京野等志は、足音....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
き声につれて、小刻みに顫えるのであった。 「それもこれも……」と、栞は、やがて、
途切れ途切れに云った。「父の心を……正体ない父の心を……少しなりとも慰めてやりた....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
にとりましてはこの主水。敵の片割ともいうべきを、そのようにお慕い下さるとは……」
途切れ途切れの言葉つきで、やがて主水はそんなように云った。 「さよう、敵の片割で....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
と声を限りに叫んだ。 ようやくするとジェーブル伯爵は少し身体を動かした。そして
途切れ途切れの声で、 「心配するな……俺は怪我はせぬ……だがドバルは?ドバルは生....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
りしているのです。燭台の煌々と明るい広間はただ森閑として、庭に鳴いている虫の声が
途切れ途切れにきこえるばかりです。六三郎はもう生きているのか、死んでいるのか判り....