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「途次〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

途次の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ルバイヤート」より 著者:小川亮作
してから三年ばかり後のこと、ラファエル前派の詩人ロゼッテイの二人の友人が、散歩の途次偶然、埃に埋もれたこの珍しい本を発見して、彼にその話をした。ロゼッテイは同志....
戦話」より 著者:岩野泡鳴
傷したとは聴いていたが、会う機会を得なかったので、ようよう僕の方から、今度旅行の途次に、訪ねて行ったのだ。話がはずんで出征当時のことになった。 「今の僕なら、君....
地球要塞」より 著者:海野十三
帥と、大きな卓子《テーブル》を囲んで、向いあっていた。 まず話題は、ここへ来る途次、私の惹《ひ》き起したポーランド女の殺害事件についてであった。 元帥は、私....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
鋭き大自在の爪かと見ゆる。 二 修業中の小次郎法師が、諸国一見の途次、相州三崎まわりをして、秋谷の海岸を通った時の事である。 件の大崩壊の海に....
黒百合」より 著者:泉鏡花
を塞いだまま。 生は東京で、氏素性は明かでない。父も母も誰も知らず、諸国漫遊の途次、一昨年の秋、この富山に来て、旅籠町の青柳という旅店に一泊した。その夜賊のた....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
た。中学を終えると、すぐに私は家庭の事情で樺太へ行かねばならなくなつた。 その途次東京に寄つたとき、浅草の電気館で「赤輪」という写真を見た。 その時私は活動....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
出来ず、而も何の為に、其ほどに約束を守らねばならぬか訣らずなった為に、聖衆降臨の途次といった別の目的を、見つけることになったと見る外はない。 上野家蔵のも相好の....
寡婦」より 著者:秋田滋
で首を吊って死んでいたのです。 その息子さんも、一千八百四十一年になさった旅の途次、オペラ座の歌姫にだまされたあげく、巴里の客舎で、同じような死に方をして果て....
妖怪学」より 著者:井上円了
順序は、さきに列するところの分類によるべきは当然なるも、余が妖怪の研究はなおその途次にありて、いまだ究め尽くさざるところあれば、従来、多少説明を与えたりしものを....
妖怪報告」より 著者:井上円了
ば、二月二十八日早朝、父、故人某のもとに訪問せんと、平素のごとく家を出発せしが、途次、某川のそばを通行し、あやまちて蹶倒し、堤脇壇上の杭頭に触れ、いたく前額を打....
一日一筆」より 著者:岡本綺堂
ても、お小言を頂戴して空しく引退るに決っている。何とか好智慧はないか知らぬと帰る途次も色々に頭脳を悩ました末に、父に対ってこういう嘘を吐いた。 学校では今月か....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
行方不明となれりと伝えられたり。旭川の有志、明日は捜索隊を出さむと騒げり。出張の途次、余を訪いたる甥の政利も、その隊に加わらむとせり。余無事に旭川に戻りて、甥は....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
主唱するものなり。ヤソ教はいまだ宗教の真理に合せずといえども、その真理に達するの途次にあるものなり。論理上ヤソ教の理を推究すれば、その極み仏教の原理に合体するに....
北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
、その成効力の余りに偉大な為めに、使い処がなくて、※びたまゝ捨てゝあるのを旅行の途次に見たこともある。少女の何人かを逸早く米国に送ってそれを北海道の開拓者の内助....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
されなかったということは実際不思議というべく、かつて五、六の人々と共に夜の散歩の途次あすこに登り、規則違反の廉を以て刑事巡査に引き立てられ九段の警察へ引張られて....