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逗
「逗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
逗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
てしまう真夜中、涙に濡れた眼を挙げながら、うす暗い十燭の電燈の下に、たった一人|
逗子《ずし》の海風《かいふう》とコルドヴァの杏竹桃《きょうちくとう》とを夢みてい....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
あった、その療治《りょうじ》を頼んだので。
もとより一室《ひとま》を借受けて、
逗留《とうりゅう》をしておったが、かほどの悩《なやみ》は大事《おおごと》じゃ、血....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
この御返事……と申しまするより、むしろ黄道吉日をば待ちまして、唯今もって、東京に
逗留いたしておりまする次第で。はあ。御令室の御言葉一ツで、」 と、意気込んで、....
「春昼」より 著者:泉鏡花
びに、近頃|買求めた安直な杖を、真直に路に立てて、鎌倉の方へ倒れたら爺を呼ぼう、
逗子の方へ寝たら黙って置こう、とそれでも事は済んだのである。 多分は聞えまい、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
風で劃った、桜山の裾が、見も馴れぬ獣のごとく、洋へ躍込んだ、一方は長者園の浜で、
逗子から森戸、葉山をかけて、夏向き海水浴の時分、人死のあるのは、この辺ではここが....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
附いて、参宮が出来るというのも、お伊勢様の思召、冥加のほど難有い。ゆっくり古市に
逗留して、それこそついでに、……浅熊山の雲も見よう、鼓ヶ|嶽の調も聞こう。二見じ....
「女客」より 著者:泉鏡花
これはあるじの国許から、五ツになる男の児を伴うて、この度上京、しばらくここに
逗留している、お民といって縁続き、一蒔絵師の女房である。 階下で添乳をしていた....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
寮が、汽車を棄てたのは、かしこで、その高崎であった。 「さようで。――お一方|御
逗留、おさみしそうなその方にも、いまの立山が聞かせたいと、何となくそのお一方が、....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
の。先の呉服屋が来たんでしょう。可哀相でね、お金子を遣って旅籠屋を世話するとね、
逗留をして帰らないから、旦那は不断女にかけると狂人のような嫉妬やきだし、相場師と....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
出しましたは、老人一|人の姪がござる。 これが海軍の軍人に縁付いて、近頃相州の
逗子に居ります。至って心の優しい婦人で、鮮しい刺身を進じょう、海の月を見に来い、....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
です。お一ついかが……そういってどうかすると、お客にお酌をした事もあるんです。長
逗留の退屈ばらし、それには馴れた軽はずみ……」 歎息も弱々と、 「もっとも煩い....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
した。その夜賊のためにのこらず金子を奪われて、明る日の宿料もない始末。七日十日|
逗留して故郷へ手紙を出した処で、仔細あって送金の見込はないので、進退|谷まったの....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
春秋の潮時でもござりましょうか。――大島屋の大きいお上が、半月と、一月、ずッと御
逗留の事も毎度ありましたが、その御
逗留中というと、小一の、持病の坐睡がまた激しく....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
風で。……ですから、私は嬉しくなって、どこを見物しないでも、翌日も一日、ゆっくり
逗留の事と思ったのです。 それに、とにかく、大笹鉱泉と看板を上げただけに、湯は....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
から川崎続き、横浜、程ヶ谷までも知っていて対手にし手がないもんですから、飛んで、
逗子、鎌倉、大磯ね。国府津辺まで、それまでに荒しゃあがったんでね、二度目に東京を....