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逗子
「逗子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
逗子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
てしまう真夜中、涙に濡れた眼を挙げながら、うす暗い十燭の電燈の下に、たった一人|
逗子《ずし》の海風《かいふう》とコルドヴァの杏竹桃《きょうちくとう》とを夢みてい....
「たき火」より 著者:国木田独歩
に沈む夕日の薄き光を見送りつ、沖《おき》より帰る父の舟《ふね》遅《おそ》しとまつ
逗子《ずし》あたりの童《わらべ》の心、その淋《さび》しさ、うら悲しさは如何あるべ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
…煩って動けないか、怪我をしていないかな。…… 以前、あしかけ四年ばかり、相州
逗子に住った時(三太郎)と名づけて目白鳥がいた。 桜山に生れたのを、おとりで捕....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
ている。 その後こういう事があった。 なおそれから十二、三年を過ぎてである。
逗子にいた時、静岡の町の光景が見たくって、三月の中ばと思う。一度|彼処へ旅をした....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
帰ったろうと思っていた伊藤から、電話がかかって来た。ホテルの室の鍵を忘れたから、
逗子の停車場までそれを持って来てくれというのだ。僕は着物の上にどてらを着て、十幾....
「春昼」より 著者:泉鏡花
びに、近頃|買求めた安直な杖を、真直に路に立てて、鎌倉の方へ倒れたら爺を呼ぼう、
逗子の方へ寝たら黙って置こう、とそれでも事は済んだのである。 多分は聞えまい、....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
▲近頃は巣鴨や大塚、中野や渋谷あたりから中央の市街へ毎日通う人は珍らしく無い。
逗子や鎌倉から通う人さえある。便利だと云えば便利だが、茲に不便があると云えば又云....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
。ただ附箋が三、四枚はってあったが、それは鎌倉に宛てて書いてあったので、そこから
逗子に廻り、さらにまた東京に廻って来たしるしに過ぎなかった。そんなにあちこちと廻....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
風で劃った、桜山の裾が、見も馴れぬ獣のごとく、洋へ躍込んだ、一方は長者園の浜で、
逗子から森戸、葉山をかけて、夏向き海水浴の時分、人死のあるのは、この辺ではここが....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
出しましたは、老人一|人の姪がござる。 これが海軍の軍人に縁付いて、近頃相州の
逗子に居ります。至って心の優しい婦人で、鮮しい刺身を進じょう、海の月を見に来い、....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
か、お米は恍惚して云った。 ――聞くとともに、辻町は、その壮年を三四年、相州|
逗子に過ごした時、新婚の渠の妻女の、病厄のためにまさに絶えなんとした生命を、医療....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
っけに取られている。 美沢の母の話によると、美和子は昨夜美沢と一しょに、鎌倉か
逗子かへ遊びに行って、今朝二人で美沢の家へ帰って来たが、(家へ帰ると叱られるから....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
少し長く書き過ぎた感があるからね。 ただ、星ヶ浦の絶景を見た時、とうてい鎌倉や
逗子など及ぶものではないとつくづくその景の大きさと複雑さと設備のよさに感嘆し、又....
「一寸怪」より 著者:泉鏡花
く、アハハハハハと恰も数百人の笑うかの如き響をするように思われる。 私が曾て、
逗子に居た時分その魔がさしたと云う事について、こう云う事がある、丁度秋の中旬だっ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
から川崎続き、横浜、程ヶ谷までも知っていて対手にし手がないもんですから、飛んで、
逗子、鎌倉、大磯ね。国府津辺まで、それまでに荒しゃあがったんでね、二度目に東京を....