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「這い込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

這い込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法」より 著者:山中貞雄
ンなっちゃうな」 と伝六。おふみちゃん大笑い。 蛇が餅の皿の中へニョロニョロ這い込む。 その蛇を餅のつもりで伝六掴んで口の所へ持って行って、ワーッと放り出....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
高さも三尺に過ぎないので、大の男は這って行くのほかは無かった。半七は土竜のように這い込むと、まだ三間とは進まないうちに、道は塞がって行く手をさえぎられた。彼はよ....
三郎爺」より 著者:宮本百合子
って「じゃんけん」をする、負けた一人が、本堂傍の梁へ吊るした古俵の中へゴソゴソと這い込むと、庭で枯木へ火をつけた一人が真剣な声を張りあげて、 「火事だぞーッ、火....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
に笑い転げるのだ。 ……何でソンナに往来を転がりまわるのだ。 何だって交番に這い込むのだ。……電柱に抱き付くのだ。……赤いポストに接吻するのだ。……諸君は精....
シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
けになって、埃りっぽい土を手足で掻き廻していた。 ぱッ! ぱッ! 草むらに這い込む苦力が、そこでもかしこでも兵卒の発砲にのめり、倒れた。 陽はまだ高かっ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
を動している。 やがて女の児がつれ去られ 泣きつかれた男の児は そのあとへ這い込む 九歳のしなやかな 日やけ色の手脚をまるめて 名もなつかしい |....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
それがうるさいので、父ももう打ち捨てては置かれなくなった。 「おおかた野良犬でも這い込むのだろう。」 こうは言いながらも、ともかくもそれを実験するために、父は....
」より 著者:豊島与志雄
人一つ処にかたまること。 和田弁太郎の寝台は、一番端の窓際にあった。だが、皆が這い込む筈の寝台は、すぐ右側の隣りだった。 そこには、脂ぎって肥満した、多少愚....
」より 著者:岡本綺堂
。それがうるさいので、父ももう打捨てては置かれなくなった。 「おおかた野良犬でも這い込むのだろう。」 こうは言いながらも、ともかくもそれを実験するために、父は....
決闘」より 著者:神西清
、いま表を開ける。」 「いいよ、窓からはいるから……」 ラエーフスキイは窓から這い込むと、サモイレンコに近よってその手を掴んだ。 「アレクサンドル・ダヴィード....
親ごころ」より 著者:秋田滋
一条の街道がこれから村へかかろうとするあたりに、這い込むような小さな家が一軒、道のほとりにたっていた。彼はむかしその家に住んでい....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
かれ》の心に残ったに相違なかった。 惣平次は、しなだれて、押入れを開けた。奥へ這い込むようにして、しばらく押入れ中ごそごそ言わせていたが、やがて、発見《みつ》....
白い路」より 著者:種田山頭火
れば、それは「微笑の哲学」でなければならない! 夜は早く妻に店番を譲って寝床へ這い込む。いつもの癖で、いろいろの幻影がちらつく。私の前には一筋の白い路がある、....
猿の図」より 著者:三好十郎
の所でマゴマゴ這いずっている三芳をはねのけて、壕にもぐり込む。その後から、三芳も這い込む。――以上三人の動作はおそろしく早く、ほとんど一瞬の間のできごと) ツ....
」より 著者:神西清
たたび橇の疾駆、酔払ったニカノールの寄態な声、風、眼に口に毛皮外套の襞という襞に這い込む執念ぶかい雪……。 『ほう、飛ぶわ飛ぶわ!』と私は思う。私の橇の鈴が医師....