這松[語句情報] » 這松

「這松〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

這松の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
伸子」より 著者:宮本百合子
い暈《かさ》がかかって、芝は湿っぽい夜の匂いを漂わせていた。遠くの隅の黒く見える這松の傍から、湯を貰って帰る婆さんの姿が現れた。 「ええ月だなし」 「…………」....
食慾」より 著者:豊島与志雄
との荒野で、遠く間をおいて小さな雑木が少しあり、他は見渡す限り広々と、浅間葡萄に這松ばかりです。その小さな雑木の影で、サンドウィッチをたべ、お茶をのみ、焚火をし....
越中劍岳先登記」より 著者:柴崎芳太郎
火した事があるものと見え蘚苔に封ぜられた木炭の破片を発見した事である、この外には這松の枯れて石のようになりたる物二、三本と兎の糞二、三塊ありしのみである、この劍....
棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
村道子嬢(二十三歳)等の吏員が、同島南海岸を逍遥中、海浜より七、八メートル離れた這松の根元に、四十五、六歳ぐらいの鼠背広、格子縞の外套の紳士が紅に染んで倒れ、さ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
い。ただ、その人影へ本能的に引きよせられたまでのこと。 ちょうど身の丈ぐらいな這松やつつじが、うまく体を蔽い隠したので、そのままジッと、柵の外を眺めていると、....