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這般
「這般〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
這般の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
ん》弁ずるに足らざる也。伝吉は父讐《ふしゅう》を復せんとするの孝子、豈《あに》、
這般《しゃはん》の無状《ぶじょう》あらんや」と「木の葉」の記事を否定している。け....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
たという。一史家が鉄のごとき断案を下して、「文明は保守的なり」といったのは、よく
這般《しゃはん》のいわゆる文明を冷評しつくして、ほとんど余地を残さぬ。 予は今....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
ぬっくと立てる電燈局の煙筒より一縷《いちる》の煙の立ち騰《のぼ》ること等、およそ
這般《このはん》のささいなる事がらといえども一つとしてくだんの巡査の視線以外に免....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
は押された。省作は俄かに寒けだってわなわなする。おとよも同じように身顫いが出る。
這般の消息は解し得る人の推諒に任せる。 「寒いことねい」 「待ったでしょう」 ....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
も医者ではありません。ですから、健吉くんと保一くんとあなたとの三人並べて、だれが
這般の事情を利用するにもっとも適しているかと問うならば、だれしもあなたであると答....
「春昼」より 著者:泉鏡花
まあ、今時、どんな、男です。」 「丁ど貴下のような方で、」 呀? 茶釜でなく、
這般文福和尚、渋茶にあらぬ振舞の三十棒、思わず後に瞠若として、……唯苦笑するある....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
やがて、小形の長火鉢で、燗もつき、鍋も掛ったのである。 「あれはね、いいかい、
這般の瑣事はだ、雪折笹にむら雀という処を仕方でやったばかりなんだ。――除の二の段....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
にある、場所の答を、婆さんに譲って、其方を見た。 湯の谷の主は習わずして自から
這般の問に応ずべき、経験と知識とを有しているので、 「はい、石滝の奥には咲くそう....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
、また私の哲学である。従って玩具を損失したからとて、少しも惜いとは思わない。私は
這般の大震災で世界の各地から蒐集した再び得がたい三千有余の珍らしい玩具や、江戸の....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
無いのは、人麿はこういう実際を余り見なかったせいもあるだろう。作歌のおもしろみは
這般の裡にも存じて居り、作者生活の背景ということにも自然|関聯してくるのである。....
「インテリの感傷」より 著者:坂口安吾
今度の選挙で共産党が三十五人になったのは、民自党の二百六十何名同様予想を絶した現象であったが、
這般の理由は、だいたい新聞の報ずるようなものであったろう。私としては、むしろ、急....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
想しても、おのずから限界を与えずにはいられないのである。これが人間の良識であり、
這般の限界に遊ぶことを風流と称するのである。 忍術にも限界があるということ、こ....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
、昔時にあってはこれを一つのいましめとしたのは正に当を得た事で、この一言の中には
這般の消息が感じられるように思え、孔子様を今更深い主観を持った人だと感心する次第....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
たらしい噂の土地に立ったを小春お夏が早々と聞き込み不断は若女形で行く不破名古屋も
這般のことたる国家問題に属すと異議なく連合策が行われ党派の色分けを言えば小春は赤....
「翻訳遅疑の説」より 著者:神西清
機から吐き出されて万事休する、世の常の飜訳にしたところで、所詮は道は一つである。
這般《しゃはん》の理を明《あきら》かにして、いわば飜訳の骨法ともいうべきものを一....