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通い
「通い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
汗をにじませながら、足にかかる夏のほこりも払わずに、杖をつきつき歩いてゆく。――
通い慣れた道ではあるが、自分が若かった昔にくらべれば、どこもかしこも、うそのよう....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
莫迦莫迦《ばかばか》しい心配だった。玄鶴は今年の冬以来、どっと病の重った為に妾宅
通いも出来なくなると、重吉が持ち出した手切れ話に(尤もその話の条件などは事実上彼....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
云われて見れば、かれこれ二十年にもなりましょうか、まだわたしが阿媽港《あまかわ》
通いの「ふすた」船の船頭を致していた頃、あそこへ船がかりをしている内に、髭《ひげ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、あるいは車を御寄せになったり、あるいは御自身御拾いで御出でになったり、絶えず御
通い遊ばしたものでございます。中には一夜《いちや》の中に二人まで、あの御屋形の梨....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
た。
やがて寛文十年の春が来た。求馬はその頃から人知れず、吉原の廓《くるわ》に
通い出した。相方《あいかた》は和泉屋《いずみや》の楓《かえで》と云う、所謂《いわ....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
とはまさかないでしょう。
小町 では誰にでも聞いて御覧なさい。深草の少将の百夜
通いと云えば、下司《げす》の子供でも知っているはずです。それをあなたは嘘とも思わ....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
つか薄笑いを浮かべているのです。
「あいつももう仕かたがないのですよ。『青ペン』
通いばかりしているのですから。」
我々はそれから「き」の字橋まで口をきかずに歩....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
》を欺くために、法衣《ころも》をまとって升屋《ますや》の夕霧《ゆうぎり》のもとへ
通いつめた話を、事明細に話して聞かせた。
「あの通り真面目な顔をしている内蔵助《....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
就《つ》こう。今夜は星も木木の梢《こずえ》に涼しい光を放っている。微風もそろそろ
通い出したらしい。さあ、この籐《とう》の長椅子《ながいす》に寝ころび、この一本の....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
毎夜のように、中御門高倉《なかみかどたかくら》の大納言様《だいなごんさま》へ、御
通いなすったではありませんか?」
わたしは御不用意を責めるように、俊寛様の御顔....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
の境に現われてくる幽霊の中の一人だった。 一七 幼稚園 僕は幼稚園へ
通いだした。幼稚園は名高い回向院の隣の江東小学校の附属である。この幼稚園の庭の隅....
「森先生」より 著者:芥川竜之介
見誤りしは、当時先生の面の色黒からざりし為なるべし。当時先生は陸軍を退かれ、役所
通いも止められしかば、日に焼けらるる事もなかりしなり。(未定稿)....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
たりしていた子供があった。すぐ側のヤコブス・ウエルス・ミュースに住んでいて、学校
通いをしていた子供なのだ。通りがかりの人で、この児に気づいた者は無論たくさんあっ....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
上ゆたかにと云うのかどうかしらないが威風堂々とゆられつつ、謡いつつの奇妙な新聞社
通いが始った様であった。 農民時代から文字通り理想的な晴耕雨読か、それとも晴読....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
小学時代に大川に浪を立てるものは「一銭蒸汽」のあるだけだった。或はその外に利根川
通いの外輪船のあるだけだった。僕は渡し舟に乗る度に「一銭蒸汽」の浪の来ることを、....