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通じる
「通じる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通じるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「墓」より 著者:秋田滋
―こう思われてならないのでした。彼女はその身うちに何かしらわたくしの精神と一脈相
通じるものを有っていたのであります。 彼女は、わたくしの魂が放った「おう」と呼....
「初雪」より 著者:秋田滋
。間道が一条、柵のまえを通っていた。そこから三|粁離れたところを通っている街道に
通じる道である。 ああ! 彼女にはいま、その頃のことが何もかも思い出されて来る....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
等には、どうもはっきりのみこめないのです。僕等より後《のち》の人間には、なおさら
通じるとは思われません。……」
父と子とはしばらくの間《あいだ》、気まずい沈黙....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
酸肥料《りんさんひりょう》をやる、油滓《あぶらかす》をやる、温室へ入れる、電流を
通じる、――とてもお話にはなりません。中にはまた一刻も早く育てようとあせった挙句....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
かない恍惚《こうこつ》の境にはいったものは、その間こそ人の知らない世界の消息にも
通じるものの、醒めたが最後、その間の事はすっかり忘れてしまいますから、仕方がなく....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
願をささげて貰いたい。 (評釈) 極度に切りつめた抄訳ではあるが、意義だけはほぼ
通じることと思う。『永遠の生命』の一節は、説く所頗る簡潔であるが、生命を『向上』....
「或る女」より 著者:有島武郎
足の先までも自分の誇りにしている婆やの切《せつ》ない心持ちは、ひしひしと葉子にも
通じるのだった。婆やと定子……こんな純粋な愛情の中に取り囲まれて、落ち着いた、し....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
のである。 デュ・プレルの考えはまたルクレチウスが次の諸行を書き残した考えにも
通じるものがある(『物の本性について』De Rerum Natura 巻一、一〇....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
らせてくれるのだった。行暮れて人の情が身にしみる。彼女のほのかな好意は、私の心に
通じるものがあった。押しいただいたものの、切符を使ってしまうのが惜しく、私はしと....
「車中有感」より 著者:上村松園
にむけた。 幼児は、わたくしを見ながら、にこにこと笑っていた。 何かやはり相
通じるものがあるのであろう……幼児は東京へ着くまで、わたくしのいい相手になってく....
「花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
毎日そのようなことをくり返しているのを観ているうちに、 (事によると、彼らだけに
通じる将棋の約束があるのではなかろうか?) とさえ思われるのであった。どうも、....
「友人」より 著者:上村松園
と対坐する。 彼女たちは語らない。 私も語らない。 心と心が無言のうちに相
通じるのである。 私はたのしい友人をこのようにしていつも身近に置いてある。 ....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
ことをいいだした。私は、あきれてしまって、うしろから彼の腕をゆすぶったが、それが
通じるどころか、彼は身ぶりたっぷりで、お嬢さんたちの機嫌をとりむすぶのに夢中であ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
一たい、日本語が分からないなんて、けしからんぞ」 と、きめつけたが、もちろん、
通じるわけがない。 そのうちに、一人のボーイが奥へかけこんだ。 誰か探しにい....
「宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
についている急な階段をのぼりはじめた。 (おお、これは、マカオ博士の秘密研究塔に
通じる階段だ) と、僕はひそかに胸をおどらせた。 博士は僕を秘密研究塔につれ....