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通せん坊
「通せん坊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通せん坊の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「自転車日記」より 著者:夏目漱石
ようやく一方の活路を開くや否や「いえ、あの辺の道路は実に閑静なものですよ」とすぐ
通せん坊をされる、進退《しんたい》これきわまるとは啻《ただ》に自転車の上のみにて....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
楊は、梢と梢とが、ずーっと手をひろげて、もう今からは、誰も入れないというように「
通せん坊」をして、そうして秘っそりと静まりかえってしまう、日が暮れるに随って、梢....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
メリカ式鉄筋コンクリートの高層築造物は、垂直の圧力を通行人の頭上に加えて虚空の「
通せん坊」をしあっている。人の眼も昇降機の如く、鋭角を追うて一気に上下すれば、建....
「火星兵団」より 著者:海野十三
命令が出たとみえ、森の出口のところには、棒をもった警官隊がずらりと人垣をつくって
通せん坊をしているのが見えた。
「あっ、あぶない!」
「なに、かまうものか。向こ....
「雁坂越」より 著者:幸田露伴
ような恰好をして、がん張っている状態は、あっちの邦土は誰にも見せないと、意地悪く
通せん坊をしているようにも見える位だ。その恐ろしい山々の一ト列りのむこうは武蔵の....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
て西行背負に背負っていたが、道中へ、弱々と出て来たので、横に引張合った杖が、一方
通せん坊になって、道程標の辻の処で、教授は足を留めて前へ通した。が、細流は、これ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
この手は、何うだ」
南玉は、深雪の前に、大手を拡げた。
「何を為されます」
「
通せん坊、通せんぼ」
南玉は、両手を拡げて、足踏しながら、深雪の行方をふさいだ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
したのに、きっと牛の御前に朝詣をするのでしょう。私を見かけると、大きな手を広げて
通せん坊をします。道の片端を走抜けようとしますと、また寄って来ます。嫌がるのが面....