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通り名
「通り名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通り名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
が、むかしはあれを隠し井の淵ともいって、むしろそのほうが人にも世間にも親しまれる
通り名でした。濠の底にありかのわからぬ秘密の隠れ井戸が六つあって、これが絶えずこ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
」 「控えろッ。いちいちと嘲弄《ちょうろう》がましいこと申して、なんのことかッ。
通り名は平助、あだ名は下駄平《げたへい》、歯入れ、鼻緒のすげ替えを稼業《かぎょう....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
なわち『パチニョの荒湿地』なるおそろしい場所を知っているかね。いや、ブラジルには
通り名がある。パチニョというよりも『|蕨の切り株』――。俺はその名を知らんとはい....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
います、と一番|疾く目についた人相を言ったので、直ぐ分った。 本名坂田礼之進、
通り名をアバ大人、誰か早口な男がタの字を落した。ゆっくり言えばアバタ大人、どちら....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はますます高まった。かれらは彼の名を知らないので、冗談半分に誰かが云い出したのが
通り名になって、かれらの仲間では先生と呼ばれていた。 喜兵衛と同時に召し捕られ....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
くんだりまで来ているのだ……」 坊ちゃん政――それは私にいつの間にか付けられた
通り名だった。もちろんかねて顔馴染の二刑事が覚えているのも詮ないことだろう。だが....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
がこんなに幼いものの口にまで上るかと言うに、この街道筋ではおよそやかましいものの
通り名のようになっていたからで。道中で人足をゆすったり、いたるところの旅館で金を....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
渡し、元は待乳の渡しといったものなのを、いつの頃からか竹屋という船宿の屋号がその
通り名となり、百五十年来の名所に二つの呼び名を冠するに至ったのだ。 花の向島に....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
人間の巣窟なのだろう。 また、その名前の下に、 dit l'Italien(
通り名、イタリア人) dit Bonjours aux amis(
通り名、友達に....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
た。 房枝は、そのこえをきくと、からだが、ぴりぴりとふるえた。「トラ十」という
通り名でよばれて皆から恐れられているらんぼう者の曲芸師|丁野十助だった。 「こら....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
ふ最後の崖しか見つめることがなくなつてゐる証拠であつた。 男の名は金鍔次兵衛の
通り名で日本全土に知られてゐたが、その本名は誰も知らない。大村の生れで、父はレオ....
「雪の宿り」より 著者:神西清
のは可笑しい。浴主は特に禅刹で入浴のことを掌る役目だからである。しかし由玄はこの
通り名で、大|華厳寺八宗兼学の学侶のあいだに親しまれている。それほどにこの人は風....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
けり」という自祝の狂歌は縁組の径路を証明しておる。(伊勢八幡というは伊藤八兵衛の
通り名を伊勢八と称したからである。)媒合わされた娘は先代の笑名と神楽坂路考のおら....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
最初オシラ神あるいはオシラ様の名をもって学界に紹介せられたがために、今ではこれが
通り名となっているようではあるが、佐々木君もすでに指摘せられたごとく、地方によっ....
「女房ども」より 著者:神西清
ライブージ村の教会の真向うに、石を土台にした鉄板葺きの二階家がある。階下には、ヂューヂャというのが
通り名の、この家の主人フィリップ・イ※ーノフ・カーシンが家族と一緒に住んでいる。....