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通り抜ける
「通り抜ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通り抜けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
じたことは一度もなかった。が、中学から高等学校、高等学校から大学と幾つかの学校を
通り抜けることは僅《わず》かに貧困を脱出するたった一つの救命袋だった。尤も信輔は....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
はり宅の忰《せがれ》なんぞが受験準備をしているせいですな。――」
戸沢は台所を
通り抜ける時も、やはりにやにや笑っていた。
医者が雨の中を帰った後《のち》、慎....
「ゆず湯」より 著者:岡本綺堂
どころなく洋服をきて出る場合には、なるべく足音をぬすんでお玉さんの窓の下をそっと
通り抜けるようにしていた。 それからひと月ばかり経って、寒い雨の降る日であった....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ん。そんな与太を飛ばせば、小屋を打ち毀されます。しかし大抵の者は無事に裏木戸まで
通り抜けることが出来ないで、途中から引っ返してしまうようになっているのです。と云....
「蠅男」より 著者:海野十三
村は、まだそれ以上の蠅男の凶器を知っていた。それはその抜け腕の或るところに大豆が
通り抜けるほどの穴が腕に沿って三、四個所も明いていたが、ここには元、鉄の棒が入っ....
「食魔」より 著者:岡本かの子
が一つに中和していた。これを侘びとでもいうのかしらんと鼈四郎は考える。この巷路を
通り抜ける間は、姿形に現れるほども彼は自分が素直な人間になっているのを意識するの....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
どころなく洋服を着て出る場合には、なるべく足音をぬすんでお玉さんの窓の下をそっと
通り抜けるようにしていた。 それからひと月ばかり経って、寒い雨の降る日であった....
「雪魔」より 著者:海野十三
て縦に長く、そしてまわりからゆるやかに、中心へ向けて凹んでいたのである。森の前を
通り抜けるとき見たのはそれだけだった。 五助は、そこを抜けると、お雪をはげまし....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
かったんです」 帆村のする通りにして、春部も恐ろしき回転刀の下を無事に向こうへ
通り抜けることが出来た。からくれないの壁にぶつかり、左を見ると、「戸ろ」に並んで....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
の外側をぐるっと廻って艦底に出て、そこでゴム底を突き破って、爆弾は水中へどぼんと
通り抜ける。な、分るでしょうがな」 金博士は、大統領の顔を見る。大統領は大きく....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
をあけているのに違いない。そうだとすれば、その土管は鼠か猫ならばともかく、人間が
通り抜けることはできないであろうに。考えれば考えるほど、ふしぎな雪子学士の行方不....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
… 「……姐さん、ここの前を右へ出て、大な絵はがき屋だの、小料理屋だの、賑な処を
通り抜けると、旧街道のようで、町家の揃った処がある。あれはどこへ行く道だね。」 ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
うだし、取残した簾の目から鬢櫛が落ちて来そうで、どうやら翠の帳、紅の閨を、無断で
通り抜ける気がして肩身が細い。 覗きはしないが、小窓、※子に透いて見える、庭背....
「薬前薬後」より 著者:岡本綺堂
。これらの車は電車通りの比較的に狭いのを避けて、いずれもわたしの家の前の裏通りを
通り抜けることにしているので、昼間はともあれ、夜はその車輪の音が枕の上に一層強く....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
々した巉岩が数多競い立っている。先ずこの右側を廻り、次に左側に向って大嶂壁の下を
通り抜ける、今度は「廻れ右」して、この嶂壁の中間にある幾条かの割目を探り、岩角に....