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通り相場
「通り相場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通り相場の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
一口でいうと、この金は私にとってけっして無用なものではなかったのである。世間の
通り相場で、立派に私のために消費されたというよりほかに仕方がないのである。けれど....
「読書法」より 著者:戸坂潤
ほど当り前なのに、多くは、ただの「文学」(?)の紹介と云った水準のものが、普通の
通り相場である。そういうものに対比して、之見よがしに、之を持ち出して来るのも、一....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
。だがこの点は必ずしも当ってはいない。必ずしもと云うのは、彼は「悧口」な男という
通り相場を持っている通り、極めて聡明で要領のよいというのも事実だから、彼の豹変の....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
接客業と同様に当局に対して阿諛的であり、支配社会に向かって事大的なものであるのが
通り相場であるが、そこからこの種の職業組合がおのずから当局肝煎りの官許組織となり....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
その道へ入ってみるとこんな面白いことはない、なにしろ二十五両一分というのが利息の
通り相場で、二十五両貸して月に一分の利息を上げる、それより上を取ってはならないこ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
碩翁は退出した。 退出はしたが碩翁は、少なからず肝をひやした。いかに我がままが
通り相場とはいえ、国家を毒する大賊を、将軍たるものが助けたとあっては、上ご一人に....
「魔像」より 著者:林不忘
神尾家の奥様だ。美人は多く玩弄用《がんろうよう》で、内容《なかみ》のお粗末なのが
通り相場になっていると聞くが、その園絵、花も果《み》もあるほんとうの美人で、美人....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
彫刻家のことで、それもアカデミーからこの称号を認可された連中にかぎるというのが、
通り相場になっている。ほかの手合いは、てんで美術家あつかいにされないのだ。サージ....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
の操守と違ってかなり有福な贅沢な清貧であった。沼南社長時代の毎日新聞社員は貧乏が
通り相場である新聞記者中でも殊に抽んでて貧乏であった。毎月の月給が晦日の晩になっ....
「鰻の話」より 著者:北大路魯山人
かろうが、どうしても二義的に考えられがちだ。現今では、うなぎといえば養殖うなぎが
通り相場になっているほどである。東京では五、六軒だけ天然うなぎを使用しているが、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
放火した乱暴者があったのも最近のことで、貴人の車を見ても、礼をしないなどは、もう
通り相場になっている。 そのうちに、はしなく、ここに一|椿事がおこった。 九....