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通書
「通書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通書の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
手紙は破って捨てて下さい。どうぞどうぞ許して下さい。これとそっくり同文の手紙、六
通書いて六人の作家へ送った。なんといおうと、あなたは御自分の世界をもっている作家....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
たからの名だ。この人は至って愚人だったよう『常山紀談《じょうざんきだん》』など普
通書き立て居るが、随分理窟の立っていた人だったのは塩谷宕陰《しおのやとういん》の....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
を売りに来る客と応待する合間を盗んで、履歴書を書いた。楷書の字が拙かったので、一
通書くのに十枚も反古が出来た。十通ばかり書いたが、面会の通知は一通も来なかった。....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
に立ちさえすればよかろう、我慢なさい」 「いえ結構です」 「ついでに女の方へも一
通書きましょうか」 「女も御存じなのですか」 「ことによると知ってるかも知れませ....
「こころ」より 著者:夏目漱石
「もう一遍《いっぺん》手紙を出してご覧な」と母がいった。 役に立たない手紙を何
通書こうと、それが母の慰安になるなら、手数を厭《いと》うような私ではなかった。け....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
て上げたいが何がよかろう、と書斎の本棚をさがしたりして、最後に藤崎さんへ手紙を一
通書きました。夕食をたべました時には常よりも機嫌がよく、常談など云いながら大笑な....
「花物語」より 著者:寺田寅彦
しかった。 五 芭蕉の花 晴れ上がって急に暑くなった。朝から手紙を一
通書いたばかりで何をする元気もない。なんべんも机の前へすわって見るが、じきに苦し....
「源氏物語」より 著者:紫式部
れしくさせない溝を作って話していた。品のよい貴公子らしい行為である。中将はもう一
通書いてから右馬助を呼んで渡すと、美しい童侍や、ものなれた随身の男へさらに右馬助....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
より(代筆 封書)〕 一月十三日 昨日は面白いことがあったのよ。ペンさんに一
通書いてもらって下へ降りたら、食堂のテーブルに御秘蔵物が置いてあるので、ヒョイと....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
書斎に行った。朝倉先生は机の上に巻紙をひろげてしきりに手紙を書いていた。もう五六
通書きあげたらしく、封をしたのが机のすみに重ねてあった。次郎が敷居のすぐ近くに坐....
「三国志」より 著者:吉川英治
ようなものだ」 「…………」 「どうじゃな、おっ母さん。あんたから徐庶へ手紙を一
通書かれたら? ……。わしは深くあなたの子の天質を惜しんでおる。もしあなたが我が....