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通有性
「通有性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通有性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
″\彼の言行を見るに、悪事にかけては中々抜目のない男で、それに犯罪性のあるものゝ
通有性として、甚だ気が変り易い。気が変り易い一面には梃でも動かぬ執拗な所がある。....
「鬼涙村」より 著者:牧野信一
を一|瞥《べつ》したのみで、直に堪らぬ厭味を覚えさせられるものだとおもった。人の
通有性などというものは平凡で、そして的確だ。私にしろ、もしも凡ての村人を一列にな....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
が洪積世以後人間にまで進化してから各種の体験に依って作り上げた特性で、こんなのが
通有性と固有性とを問わずゴチャゴチャと遺伝されている事は申すまでもありませぬ。そ....
「藤村の文学にうつる自然」より 著者:宮本百合子
派の諸詩人達が西洋でも東洋でもこのんで「鷲」を題材とするのは、何と興味ある一つの
通有性であろう。『若菜集』の後に出た『一葉舟』で、藤村は「鷲の歌」を抒事詩風にう....
「明日の言葉」より 著者:宮本百合子
家たちの科学的知識の欠如していることは今日までの戦線ルポルタージュに顕著な一つの
通有性となっている。縦に突こんで、現実が把握されていない。通州の事件について書い....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
年十月 大森|馬込《まごめ》町にて 著者 新版の序 インテリの
通有性は、自分の心情《ハート》が為《な》してる仕事に対して、自分の頭脳《ヘッド》....
「婦人も参政権を要求す」より 著者:与謝野晶子
世界の大勢であるからこれを要求するのだという人があるなら、私はその人が模倣同化の
通有性のみあって、自由独創の個性に乏しいことを惜みます。今日は国家とか民族とかに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
」――死の来る目前まで、舞踏歓楽し、死の直面に来って、はじめて恐怖狼狽する人間の
通有性を、米友もまた御多分に漏れず持ち合わせていればこそ、こいつたまらぬと噪《さ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、西洋に限ったことはない、到るところにあるのです、偽善というよりは、むしろ人間の
通有性、弱点と見た方がいいでしょう。その弱点を覆うのに、或いはそれを向上せしむる....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
婚以来もつとも苦難の激しい時である。 育児。確かに熱心ではある。しかし、女性の
通有性として偏執的な傾向が強く、困ることも多い。勉強などではとかく子供をいじめす....
「接吻」より 著者:神西清
る時よりも送り出す時のほうが、遙かに真心のこもった親切な態度になるという、人間の
通有性にもとづくものだろう)。「じつに喜ばしいことですわい! お帰りにも、どうか....
「誰が何故彼を殺したか」より 著者:平林初之輔
遣いはないと私は信じる。それは、私が現今の警察力に信頼するからではなくて、人間の
通有性――誰かに自分の犯行を打ち明けたいという本能――を私は信ずるからである。こ....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
(翅の生えている魔力ある神)と称せられ,大蛇に翼の生えた姿に考えられている.蛇の
通有性として暑い時はひどく元気で活躍するから,暑中や火の傍ではうっかり名を言うさ....
「三国志」より 著者:吉川英治
いと思うな」と、賞めたたえた。 それには、張飛も関羽も、同感であったが、浪人の
通有性として官軍とか官僚とかいうと、まずその人物の真価をみるより先に、その色や臭....
「猪の味」より 著者:北大路魯山人
のみに限らないが、これも深くものに徹して、真面目にものを処理しようとしない人間の
通有性のあらわれのひとつであると言えよう。 (昭和十年)....