通用[語句情報] »
通用
「通用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
も出来たはずである。が、芸術に興味のない、語学的天才たる粟野さんの前にはどちらも
通用するはずはない。すると保吉は厭《いや》でも応《おう》でも社会人たる威厳を保た....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
日本人の用うるのに必ずしも支那人の用法を踏襲しなければならぬと云う法はない。もし
通用さえするならば、たとえば、「彼女の頬笑《ほほえ》みは門前雀羅を張るようだった....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
。物質的でないにせよ、純粋に精神的であるにせよ(そんな表面的な区別は私には本当は
通用しないが、仮りにある人々の主張するような言葉|遣いにならって)、何等かの報酬....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
するものである。この概念はなおまたラプラスの仮説の一般に行われたために現代までも
通用してきたものである。形態もなく、秩序もなく、全く均等な原始要素としては普通に....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
の初めの五百年だと信じていました。その時代に日蓮聖人が、いまだ像法だと言ったって
通用しない。末法の初めとして行動されたのは当然であります。仏教徒が信じていた年代....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
そへはやりたくないというのが今の会社側の考え方である。そんなむしのよい話が世間に
通用するものかどうか私は知らない。 いま一つは双方とも契約の期間をせいぜい短く....
「一つの世界」より 著者:伊丹万作
うのは前大戦時代の古い戦争学だと思う。ことに日本のような木造家屋の場合この定理は
通用せぬ。 敵は近来白昼ゆうゆうと南方洋上に集結し編隊を組み、一時間も経過して....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
鳴り亘るように感じながら、電話函を出ると、通りがかりの円タクを大声で呼びとめた。
通用門を明けさせ、長い廊下にいらいらしながら、僕は宿直室に辿りついた。室内に居合....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
いるのですから、ここではだいたんなものさしで測る必要があります。地球のうえだけで
通用するものさしで測っていたんではだめだと思います」 「そういう議論はあとにして....
「海底都市」より 著者:海野十三
いけないよ、そういうことを、この国へ来ていうから。そういうことは、この国では全く
通用しないんだから」 「そんなに武力行使ということを嫌っているのかい。それならそ....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
たが、 「この貯金帳には、大金を預けていることになっているが、この列車の中では、
通用しない。このごろは、敵国のスパイが、よくそういうものを偽造してもっているから....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
射に晃々と数えられて、仰ぐと避雷針が真上に見える。 この突当りの片隅が、学校の
通用門で、それから、ものの半町程、両側の家邸。いずれも雑樹林や、畑を抱く。この荒....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
、かねがね承ったでありまするで、戸外から拝見いたしましてさえ余りのお見事。つい御
通用門を潜りまして、うかうかとこれへ。 実は前もってちょっとお台所口まで、お断....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
引いてシャレや小唄の粋を拾って練りに練り上げた文章上の「穿ち」を得意とし、世間に
通用しない「独りよがり」が世間に認められないのを不満としつつも、誰にも理解されな....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
けもどってきたおやじは、手に大きな肉切包丁をぶらさげ、心配そうに、 「庭の木戸も
通用口のドアも、みんなしめるのをわすれていたんだ。そのうえ、庭の木戸はあけっぱな....