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通用口
「通用口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通用口の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道づれ」より 著者:宮本百合子
いよい胸元へ、きつく弁当箱をつつんだ風呂敷包みをかかえて、日和の歯音を立てながら
通用口から外へ出た。 電車は例の如く混みあっていて、三人並んで吊皮につかまると....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
の鉢とがやっと見えるような街でした。そこの表通りに面した五階か三階でした。台処の
通用口は玄関とまるで関係なく建物の横手から全階に通じていて、雇人たちの住むのは建....
「鱗粉」より 著者:蘭郁二郎
しろ姿は、釣竿をかついでいなかった。 五 鷺太郎は、サナトリウムの
通用口から這入って、医局の廊下を通ろうとすると、こんな夜更けだというのに、まだ電....
「地上」より 著者:島田清次郎
には高雅な板塀が続いていて、大きな鋼鉄の門に「天野栄介」と門標が打ってある。傍の
通用口を入ると花崗岩を敷きつめた路が両側の桜の樹の下を通じている。玄関の横の格子....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
い土間の奥から、旦那おかえりと声をそろえた。
お高は、磯五に案内されて、横手の
通用口からはいって行って、すぐに、奥まった一間に通された。あるじの居間らしい部屋....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
けもどってきたおやじは、手に大きな肉切包丁をぶらさげ、心配そうに、 「庭の木戸も
通用口のドアも、みんなしめるのをわすれていたんだ。そのうえ、庭の木戸はあけっぱな....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
退けて、宿直部屋の灯と、牢舎長屋のほかは、墨のように、とっぷり暮れ、大門も西門も
通用口も、みな閉まった。 小林勘蔵と市川義平太のふたりは、たれより晩く、そこを....