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「通算〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

通算の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
近も代払《だいばら》いの厄に遇った。そのほかまだ何だ彼《か》だといろいろな打撃を通算したら、少くとも三万円内外は損失を蒙《こうむ》っているのに相違ない。――そん....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
そとへ連れて出た。 フランスでは、未決拘留の日数は三日間をのぞいたあとをすべて通算する。で、僕はその日に満期となって、翌日は放免の訳だ。 あっけのないことお....
獄中記」より 著者:大杉栄
二カ年もまたすでに勤めあげた屋上演説事件の一月半もすべて赤旗事件の二カ年半の中に通算されてしまった。いわばまあゼロになっちゃったんだ。 検事局では地団太ふんで....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
はならなかったからなのである。同じ見地で考え出せるだろうが、不良少年を社会学的に通算総括した「不良階級」、自殺者の集団層(?)である「自殺者階級」其他等々でもい....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
五万の見当であるらしい。この二社だけ合わせても五十万円になるから、他の各社の分を通算し、街頭の分をこれに加えれば、まず少なくとも百万円には間違いなくなるだろう。....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
な。とにかく、こうしていま二十二個の生命――私と彼女と君じしんとボウイさんのとを通算して――が、すっかり君ひとりの技能と沈着と「|咄嗟の考察」とにかかっているの....
丹下左膳」より 著者:林不忘
えば何かためにしようの肚《はら》だったらしいがこのごろ、その時どきに用立てた金を通算して、大枚五十両というものを矢のように催促してくるのである。 あと月のある....
てのひら自伝」より 著者:坂口安吾
やかされ通しでいるのは白状しなくともお分りだろう。 お酒は二十六から飲んだが、通算して、まだ十五石ぐらいのものだろう。....
小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
思った。 そして、それからのことは、もはや明滅的にしか、覚えていないのである。通算して、一日に、約五十錠ほどずつ、アドルムをのんだ。私は一日ねむったつもりでい....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
スが九レースまで中穴だったから、私が三千円の損失でくいとめたのである。つまり私は通算して一回に千五百円ぐらいずつ車券を買っているから、すくなくとも中穴が出ないと....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
れがアリバイを構成し、食後の運動、又、時にはコソ泥式の忍び込みもするところなども通算して一つの風流をなしている。惚れ惚れする武者ぶりだ。どこかバルザックの武者ぶ....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
て、足もとをふみしめながら、急ぎ去った。 異様な関係にある夫婦らしいが、前後を通算して、放二は悪い感情をうけなかった。 青木の別れた妻によせるいたわりは、目....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
サの耳の孔までしみこむスベがないからである。 アネサの働く時間は短かかったが、通算して一人前はたしかに働いていたろう。重い物を運ぶ時などは、アネサが存分に怠け....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
へ移行するというような、日本庶民の生活信条は尤もらしくもあるし不可解でもあるし、通算して諸事難解をきわめるのである。 たッた一ツだけハッキリしていることは、な....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
行を終ると、その大道具衣裳かつら一切を持って地方幾カ所の巡回興行をつづけ、それを通算して十露盤を取ることにする。大道具もたたんで汽車に積んでゆくつもりである。劇....