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通船
「通船〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通船の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
。 二人の漕ぎ手は、一里余の暗黒の海上を、サンパン止《ど》め――暴風雨にて港内
通船危険につき港務課より一切の小舟通行を禁止する――の暴化《しけ》を冒して、船長....
「河明り」より 著者:岡本かの子
投出されたような、鮮やかな一堆に見える。河川通のこの家の娘は、この亀島川は一日の
通船数が三百以上もあり、泊り船は六十以上で、これを一町に割当てるとほぼ十艘ずつに....
「夜の隅田川」より 著者:幸田露伴
。そういうわけで羽根田の漁夫も隅田川へ入り込んで来て捕って居るのだ。それも昼間は
通船も多いし、漁も利かぬから夜縄で捕るのである。此等の船は隅田川へ入って来て、適....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
碇泊いたし候。こなたより船差し出し相尋ね候ところアメリカ船にて、江戸表より長崎へ
通船のところ天気|悪しきため、碇泊いたし、明朝出帆のつもりに候おもむき申し聞け候....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
人乗るほどの小船が見える。中洲の島で、納涼ながら酒宴をする時、母屋から料理を運ぶ
通船である。 玉野さえ興に乗ったらしく、 「お嬢様、船を少し廻しますわ。」 「....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
しは思われない。こんな考えは、高級船員などの間ではありふれた考え方であり、また普
通船員のうちにあってもやはり同様であると信じられる。しかし私は、この考え方を主張....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
沢の入口で、ここにまた柳を写生した。 粉奈屋へ帰ったのは午後の二時。 富士川
通船の出るあたりに往って見たが、絵になるような場所はない。 十五日は曇っていた....
「春の雁」より 著者:吉川英治
旅の裏の草ッ原で、子を連れて狐が陽なたに遊んでいたりする事があるという。 ――
通船楼の若いおかみさんは、 「何だえ、包み始めてさ。……負けずに持って帰るつもり....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
鴎のむれや……そうした光景があからさまに眼にうつッた。――が、いつかそこには東京
通船株式会社の、倉庫なり事務所なり荷揚場なりの古トタンをぶつけた、大きな、うす汚....