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「通行人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

通行人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
》っている馬方は、寄り道をするようにしておせいを覗きこみに来た。幾人となく男女の通行人にも遇った。吠えつきに来た犬もあった。けれどもおせいにはそれらのものが、ど....
卑怯者」より 著者:有島武郎
てゆく日ざしの下を、彼らはわめきたてる蝙蝠《こうもり》の群れのように、ひらひらと通行人にかけかまいなく飛びちがえていた。まともに突っかかって来る勢いをはずすため....
式部小路」より 著者:泉鏡花
か、柳屋の柳にかけた、賽が一箇、夜のしらしらあけの頃、両国橋をころころと、邪慳な通行人の足に蹴られて、五が出て、三が出て、六が出て、ポンと欄干から大川へ流れたの....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
くことにした。 台湾巡業は翌年の四月までつづき、その間私は斬られるさむらいや、通行人ばかりになつて舞台の上に身をさらしていたが、演技に関する私の理論はこの間の....
村芝居」より 著者:井上紅梅
自然に押され押されて木戸口に出てしまった。 街は観客の車以外にはほとんど一人も通行人がなかった。それでも木戸口には十何人か頭を昂げて芝居の番附を見ていた。外に....
余齢初旅」より 著者:上村松園
たぐあいにあるのであって、誰も私のように物珍しくみているものなぞはないのである。通行人はそれを知らん顔をして通っているのである。日本ではそんな行き倒れなどがある....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
だしてみて、ぼくははじめて透明になったことをゆかいに思ったよ。ぼくがうしろから、通行人の帽子をはじきとばしたり、肩をぽんとたたいたら、そいつはどんなにおどろいた....
海底都市」より 著者:海野十三
だけを指していったのだ。 するとタクマ少年は、目を丸くして僕の顔を見、それから通行人たちの姿を見て、声をあげて笑った。 「お客さんは、ずいぶん田舎からこの町へ....
火星兵団」より 著者:海野十三
「すごいスピードだなあ」 千二は、感心して、運転台のガラスから、商店や街路樹や通行人がどんどん後へ飛んでいくのを、おもしろく見まもった。 だが、しばらくいく....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
の身体は両方から支えられた。――杜はその力の下からフーフー息を切った。そして誰か通行人が、自分たちのために叫び、自分たちを支えていてくれることに気がついた。 「....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
なる光景が出現した。 ラジオの高声器のある戸毎家毎には、近隣の者や、見も知らぬ通行人までが、飛びこんで来て、警備司令部の放送がこれから如何になりゆくかについて....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
とは一層、漢青年を脅かした。彼は、京浜国道を六十|哩のスピードで走っていて、時々通行人を轢いたり、荷車に衝突して自分も相当の怪我をしたことが何回もあったことを顧....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
のり出し、丁度窓と電気看板との間に挿って死んでいた。だから暁け方になってようやく通行人が、電気看板の上端からのぞいている蒼白い脛や、女の着衣の一部や、看板の下か....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
部を隠す余裕も持てない数人の浴客、それに椿事と知って駆けつけて来た近所の人々や、通行人らしい見知らぬ顔の男達が、或は足袋を濡らしたまま、或は裾をまくったままで、....
東京要塞」より 著者:海野十三
あつめていた。 一体なにごとが始まるのだろうか。 「おい、来たぞ」 「来たか。通行人はどうだろう」 「あっ、向うの屋上から青灯をたてに振っている。幸い通行人は....