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速力
「速力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
速力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ば書けないことかも知れないぞ。」
しかし光の靄《もや》に似た流れは、少しもその
速力をゆるめない。かえって目まぐるしい飛躍のうちに、あらゆるものを溺《おぼ》らせ....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
空との中には、赤い筋のある軍帽をかぶった日本騎兵の一隊が、今までのどれよりも早い
速力で、慌しく進んで来た。そうしてまた同じような
速力で、慌しくどこかへ消えてしま....
「路上」より 著者:芥川竜之介
》みを待っていた彼女の姿が、稲妻《いなずま》のように閃いた。と思うと、電車はもう
速力を早めて、窓の内の二人の姿も、見る見る彼の眼界を離れてしまった。
その後を....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
る音らしかった。
その内に八時の上《のぼ》り列車は長い汽笛を鳴らしながら、余り
速力を早めずに堤の上を通り越した。保吉の捉える下《くだ》り列車はこれよりも半時間....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
を仕損じた掏摸《すり》より早く、電車を飛び降りてしまいました。が、何しろ凄まじい
速力で、進行していた電車ですから、足が地についたと思うと、麦藁帽子が飛ぶ。下駄の....
「或る女」より 著者:有島武郎
と鬢《びん》の毛をそよがして通るのを快いと思っていた。汽車は目まぐるしいほどの快
速力で走っていた。葉子の心はただ渾沌《こんとん》と暗く固まった物のまわりを飽きる....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
》き出だせり。二人の車夫は勇ましく相呼び相応《あいこた》えつつ、にわかに驚くべき
速力をもて走りぬ。やがて町はずれの狭く急なる曲がりかどを争うと見えたりしが、人力....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
入った。 誰も居なくなると、お妙はその二重瞼をふっくりとするまで、もう、(その
速力をもってすれば。)主税が上ったらしい二階を見上げて、横|歩行きに、井の柱へ手....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ちに流れ下る。更に或る時は、人がよく実際の河流で観察し得るように、中流に近い水の
速力の為めに蹴押されて逆流することさえある。かかる時に私は不幸だ。私は新たなる展....
「橋」より 著者:池谷信三郎
の寒村に、小屋を立てて、一生をそこで暮したということです。氷河は一日三尺くらいの
速力で、目に見えず流れているのだそうです。男がそこに、昔のままの十八の少女の姿を....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
でもためしてみたことだし、海の上を汽船でとおってみてもわかります。ところが蒸気の
速力などは、光がはこぶ早さにくらべれば、なまけものがのそのそ歩いているか、かたつ....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
まちがいのないものさえぴたりとおけば、もうそれだけで選曲は五十点である。画面は全
速力で自動車が走つているのに音楽は我不関焉とアンダンテか何かを歌われたんではきの....
「カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
コトハ非常ナモノデアロウ。 九、印刷文化ノウエニズイブン大キナ徳ガアル。鮮明度、
速力ナドニ関シテハモチロン、資材ノウエカラ労力ノウエカラ大変ナ経済ダト思ウガコノ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
る。生きものはだんだん小さくなっていって、遂にはまったく見えなくなってしまう。急
速力で走る汽車でヨーロッパを横切り、その昇降口から眺めてみよ。ひと、ひと、ひと、....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
車で駆上って来た事は更めて言うに及ぶまい。事実に逢着すると、着弾の距離と自動車の
速力と大差のない事になる。自動車の方が便利である。 侮辱と唾棄の表現のために、....