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速射
「速射〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
速射の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「名人伝」より 著者:中島敦
いのはもとより、杯中の水も微動だにしない。一月《ひとつき》の後、百本の矢をもって
速射を試みたところ、第一矢が的《まと》に中《あた》れば、続いて飛来った第二矢は誤....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
ふり廻していては、分らないので、そう頑張《がんば》っていてはついには正宗の名刀で
速射砲と立合をするような奇観を呈出するかも知れません。 して見ると歴史的研究は....
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
補筆価値百二十パーセントの堂々たる日章旗を翻した司令塔、信号マスト、水雷発射管、
速射砲の設備整然たる五百|噸級、乃至二百噸級の水雷駆逐艇が五艘、九十線の銅版キメ....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
んとしてまず午餐の令は出でたり。 分隊長を助け、部下の砲員を指揮して手早く右舷
速射砲の装填を終わりたる武男は、ややおくれて、士官次室に入れば、同僚皆すでに集ま....
「丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
ら砲弾を見舞われて黙っていられないと同様に、侮辱に対して侮辱を贈り返すのである。
速射砲や機関銃が必要であると同様に、切手は最も必要な利器である。」いかにもP君の....
「三月八日は女の日だ」より 著者:宮本百合子
れは又なんと高速度演説! ちらりちらり上眼で聴衆を見ながら一分間息もつかぬ女声の
速射砲。農婦と工場労働婦人の結合のため、我々コムソモールは全力をつくすであろう!....
「坑夫の子」より 著者:葉山嘉樹
の鉢を抱えた。 ドーン、バーン、ドドーンー 発破は機関銃のように続いて、又は
速射砲のようにチョット間を置いて、鳴り続けた。 やがて、発破は鳴り止んだ。 ....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
。それにしても、思い出す度にぞッとするのは、敵の砲弾でもない、光弾の光でもない、
速射砲の音でもない、実に、僕の隊附きの軍曹大石という人が、戦線の間を平気で往来し....
「鉄路」より 著者:蘭郁二郎
源吉の右手はカマの焔照りで熱っぽいブレーキを、忙しく廻し始めた。 今まで、
速射砲のように、躰に響いていた、レール接目の遊隙の音も、次第に間伸びがして来た。....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
見えたが、潜望鏡と司令塔以外のものはいっさい取り払われて、船首に近い三|吋大仰角
速射砲の跡には、小さな艙蓋が一つ作られていた。 しかし、そこは断崖の下で、そこ....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
》。アレアレッと驚き見まもる暇もなく、砲塔をゆるやかに旋回させ、八|糎《センチ》
速射砲の無気味《ぶきみ》なる砲口を桟敷の中央に向けたと思うと、来賓席の二段目を目....
「廃墟(一幕)」より 著者:三好十郎
今すぐ、なんにでもならあ! (このあたりから、欣二も誠も、その他の人々の言葉も、
速射砲のように早く、かんだかになり、かつ、互いに他の人の言葉を中途でたち切ったり....
「雪雑記」より 著者:中谷宇吉郎
てしまうのも考えものである。もっとも今これを蒸し返したらまたタイプライター五頁の
速射弾を受けるにきまっているから、当分はこっそり低温室にかくれて、手のひら位の大....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
けたように感じた。無数の岩塊が跡からも跡からも止め度なく崩れて、谷の中は一しきり
速射砲を釣瓶打ちに放ったような音が鳴り止まずにいた。「恐いのう、あの下に居たりゃ....