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「速歩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

速歩の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
事実とすれば、「多分馬の前脚《まえあし》をとってつけたものと思いますが、スペイン速歩《そくほ》とか言う妙技を演じ得る逸足《いっそく》ならば、前脚で物を蹴るくらい....
道標」より 著者:宮本百合子
トゥウェルスカヤの大通りへ向けていた馬首をゆっくり反対の方角へ向け直し、それから速歩で、家の窓々の並んだその通りを進みはじめた。いかにも鮮やかな緑色|羅紗《らし....
火薬船」より 著者:海野十三
かりつかまれ」 船長は、そういって、ハルクにかたをかした。そしてかけるように、速歩で歩きだした。 「うっ、くるしい。もっと、しずかに……」 「ちぇっ、なんだ、....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ンゲンのラッパ手でも、ベートーヴェンでもマスカーニでも、遁走《とんそう》曲でも、速歩舞踏曲でも、また、アダム、バッハ、プッチーニ、モーツァルト、マルシュネル、な....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
趣味を涵養《かんよう》することはおそらくできなかった。音楽として聞かれるものは、速歩調やあるいは――祭りの日に――アドルフ・アダムの接続曲を奏する田舎楽隊、華想....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
潮の駆け上がって来る響きに耳を澄ましていた。その三千騎のしだいに高まる響きを、大速歩の馬の交互に均斉した蹄《ひづめ》の音を、甲冑《かっちゅう》の鳴る音を、剣の響....
貞操問答」より 著者:菊池寛
をなぶらせ、夫人はまるで別人のようにはしゃいでいるのだ。 二、三町ばかり、軽い速歩で進むと、眼下に新しい景色が展ける。それは小浅間の鬼押出しと呼ばれている、流....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
法水は、しばらく雑談している三人から離れて、俯向きながら歩いていたが、やがて速歩に追いつくと、ウルリーケにいった。 「ねえ夫人、艇内日誌には、わずか一、二枚....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
だろう。別に術を習わなくとも、威勢のよい男の子なら楽にとべるのである。 忍術に速歩の法と称するものがあって、身体を横向きに、カニの横バイのように歩くのが速いな....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
自然な体の扱い方に依るのだ。誠に上古のギリシャ人は殆んど素足に近き恰好で、獣類の速歩、普通|駈歩、伸暢駈歩と同じ体形で体を動かしていた。すなわち人間の本来の動作....
山の人生」より 著者:柳田国男
町で、深夜に素裸ではだしの大男が、東海道を東に向って走るのを見た者がある。非常な速歩で朝日の揚がるころには、もう浜名湖の向うまで往っていた。水中に飛込んで魚を捕....