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造り花
「造り花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
造り花の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
。それから、廊に囲まれた御庭の池にはすきまもなく、紅蓮白蓮《ぐれんびゃくれん》の
造り花が簇々《ぞくぞく》と咲きならんで、その間を竜舟《りゅうしゅう》が一艘《いっ....
「行人」より 著者:夏目漱石
がらそこいらを見廻した。
机の上には和製のマジョリカ皿があった。薔薇《ばら》の
造り花がセゼッション式の一輪瓶《いちりんざし》に挿《さ》してあった。白い大きな百....
「明暗」より 著者:夏目漱石
ぐ「岡本」と答えたお延の頭には、提灯《ちょうちん》だの暖簾《のれん》だの、紅白の
造り花などがちらちらした。彼女は俥を降りる時一度に眼に入ったこれらの色と形の影を....
「一夜」より 著者:夏目漱石
んで針を吹く」と一人が評すると 「ビステキの化石を食わせるぞ」と一人が云う。 「
造り花なら蘭麝《らんじゃ》でも焚《た》き込めばなるまい」これは女の申し分だ。三人....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
組合のものが三人、大家のあるじ、それに父親に荻生さんとがあとについた。提灯が一つ
造り花も生花もない列をさびしげに照らして、警察の角から、例の溝に沿った道を寺へと....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
致して、良い画工に種々の絵を描かせ、上には花傘を附けまして両側へ数十本|立列ね、
造り花や飾物が出来ます。水菓子屋或は飴菓子団子氷水を商う店が所々に出まして、中々....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
交って、一様の花笠で、湯の花踊と云うのを演った。屋台のまがきに、藤、菖蒲、牡丹の
造り花は飾ったが、その紅紫の色を奪って目立ったのは、膚脱の緋より、帯の萌葱と、伊....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、などの名前がいつも出ていた。そういう不貞節な音楽が、娘たちの喜びそうなものが、
造り花が、香水の店が、約束のアルミデスの園なのかと、クリストフは友人らに尋ねた。....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
てある。この大きい絵看板を蔽《おお》う屋根形の軒には、花車《だし》につけるような
造り花が美しく飾りつけてあった。 長吉はいかほど暖い日和《ひより》でも歩いてい....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
銀座通に柳の苗木が植えつけられ、両側の歩道に朱骨《しゅぼね》の雪洞《ぼんぼり》が
造り花の間に連ねともされ、銀座の町が宛《さなが》ら田舎芝居の仲《なか》の町《ちょ....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
までに甚だしくなった。今日ではそれ程ひどくはないけれども、それでもなおいろいろの
造り花をつけて、金属の鉾の代りに木の枝を持ち、それがもと下級警吏たる検非違使庁の....