造詣[語句情報] »
造詣
「造詣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
造詣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
仏門に帰依《きえ》する事になった。書中に云っている所から推すと、彼は老儒の学にも
造詣《ぞうけい》のある、一かどの才子だったらしい。
破提宇子《はでうす》の流布....
「弓町より」より 著者:石川啄木
していたある外国婦人が死んだ。その婦人は三十何年間日本にいて、平安朝文学に関する
造詣《ぞうけい》深く、平生日本人に対しては自由に雅語《がご》を駆使《くし》して応....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
物との凡てに対して私は深い感謝の意を捧げる。 これは哲学の素養もなく、社会学の
造詣もなく、科学に暗く宗教を知らない一人の平凡な偽善者の僅かばかりな誠実が叫び出....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
』の考え違いで、動坂三郎は黄金の鍵を持っていないのではなかろうか」 科学器械に
造詣の深い速水輪太郎も、黄金の鍵の捜査にはすっかり手を焼いたと見えて、先刻とはま....
「蠅男」より 著者:海野十三
隣り町にもありまっしゃろ。そもそも地質ちゅうもんは――」 「ああ、あなたの地質の
造詣の深いのには敬意を表しますが――」 「あれ、まだ地質学について何も喋っていま....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
られている壮年者もある。 横浜開港時代に土地開発に力を尽し、儒学と俳諧にも深い
造詣を持ちながら一向世に知られず、その子としてただ老獪の一手だけを処世の金科玉条....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
萄牙のピントー以来日本に渡来した外人は数限りも無いが、真に学者として恥かしからぬ
造詣を蓄えて、学術研究の真摯な目的を抱いて渡来し、大にしては世界の学界に貢献し、....
「獏鸚」より 著者:海野十三
ンコについて云えば、頭及び翕は黄色で……」 「わ、判ったよ。君の動物学についての
造詣は百二十点と認める――」 私は耳を抑えて立ち上った。私には鸚鵡の種類などを....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
ス料理を二つ三つ聞きかじつて知つている。ただし、おでんと天ぷらだけは亭主のほうが
造詣が深い。 趣味 まず衣服であるが、全部和装ばかりで数もごく....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
たが、其磧以後の小説を一と通り漁り尽した私は硯友社諸君の器用な文才には敬服しても
造詣の底は見え透いた気がして円朝の人情|噺以上に動かされなかった。古人の作や一知....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
議に寺内に集って盛んに江戸趣味を発揮したからであった。この鵜飼三次というは学問の
造詣も深く鑑識にも長じ、蓮杖などよりも率先して写真術を学んだほどの奇才で、一と頃....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の経験上一日の長ある先輩の教えを聞くは珍らしくない。ましてや謙遜な二葉亭は文章の
造詣では遥に春廼舎に及ばないのを認めていたから、己れを空うして春廼舎の加筆を仰い....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
春の屋おぼろ」の名に奮起して身を文壇に投ずる志を立てた。例えば二葉亭の如き当時の
造詣はむしろ坪内君を凌ぐに足るほどであったが、ツマリ「文学士春の屋おぼろ」のため....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
ーを私淑するには学堂の文藻は余りに貧しかった。尤も日本の政治家に漢詩以外の文学の
造詣あるものは殆んどなかったが、その頃政治家が頻りと小説を作る流行があって、学堂....
「蘭郁二郎氏の処女作」より 著者:大倉燁子
る、その空を切って懸命に影を描き得られたのではあるまいか。この点だけでも心霊学に
造詣ふかい方だと想像される。「夢鬼」以下五つの短篇を添えてあるが、何れも興味ふか....