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「造酒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

造酒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老ハイデルベルヒ」より 著者:太宰治
う、私より二つ年下の青年が酒屋を開いて居たのです。佐吉さんの兄さんは沼津で大きい造酒屋を営み、佐吉さんは其《そ》の家の末っ子で、私とふとした事から知合いになり、....
地獄街道」より 著者:海野十三
ことは君にも判るだろう」 「……」私は黙って肯いた。それは例の媚薬などを入れた密造酒のことを指すのであろう。 「これは大変に高価なもので、到底日本などには入って....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
の毒に思って買う人が無かったとのことだ。茂十郎さんの家では、もと酒屋であったが、造酒は金を寝かして商法に働きの少いのを見て取り、それから茶商に転じたという。時間....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
。いつのまにか伊之助は半蔵の歌の友だちになって、年寄役としての街道の世話、家業の造酒なぞの余暇に、半蔵を感心させるほど素直な歌を作るような人である。 夜はふけ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ただけでもハラハラした。でも、お富の言って見せたことが妙に気になって、天井の高い造酒場の内を一回りして来たあとで、今度は彼の方からたずねて見た。 「お富、子供の....
田舎教師」より 著者:田山花袋
井は行田の藩士で明治の初年にこの地に地所を買って移って来た金持ちの子息、そのほか造酒屋、米屋、紙屋、裁判所の判事などの子息たちに同窓の友がいくらもあった。そして....
キチガイ地獄」より 著者:夢野久作
キリと見透かしながら、お話する事が出来るのですからね……。 私は福岡県朝倉郡の造酒屋、畑中正作の三男で、昌夫と呼ばれていた者です。父の持山に葡萄を栽培するのが....
五ヵ年計画とソヴェトの芸術」より 著者:宮本百合子
日が始って見ると農村にはいろいろな困難が起って来た。 農民の間の反動的分子は密造酒を飲みながらゴネだした。 「ヘエ、俺らコンムニストにだまされたんだ。奴等あ何....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
蒼白い。――そいつは何だ、講釈師がよく饒舌る、天保水滸伝中、笹川方の鬼剣士、平手造酒猛虎が、小塚原で切取って、袖口に隠して、千住の小格子を素見した、内から握って....
人造物語」より 著者:海野十三
気工学、物理化学のおかげである。 人造人間は、まず措くとするも、人造|絹糸、人造酒、人造染料、人造肥料、人造光線、人造真珠、人造宝石、などと、数えてゆけば、き....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
は近いうちに、越後の方へ出て行くぜ。おいらの永年ののぞみだからな」 平手造酒と観世銀之丞 甚内はじっとたたずんで甚三の様子を窺った。甚三は黙然と考えて....
魔像」より 著者:林不忘
して、その腕《うで》、その胆《たん》、ともに無人の境を行くの概あった先生に、神保造酒《じんぼうみき》という暴れ者があった。神保造酒……無形《むぎょう》一|刀流《....
生きている戦死者」より 著者:牧逸馬
キスに近づいていた連中である。あの家の屋根裏に大きな錻力の桶が五つ並んでいた。密造酒だろうと町で騒いだ時、あれは揮発油が這入っているとキスが言った。所有主は戦死....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
酒を造る女のあった話が出ている。独りそれのみならず、『延喜式』に見えている宮中の造酒司でも、その酒造り役は女だったようである。 酒殿はけさはな掃きそ舎人女が裳ひ....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
る玉造部とか、弓を造る弓削部とか、鎧を造る鎧作とか、雅楽寮の楽戸、主船司の船戸、造酒司の酒戸、典薬寮の薬戸、造兵司の雑工戸、主鷹司の鷹戸などとかいう様な、一定世....