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「逢う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

逢うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
こちらも同じ思いですから、新蔵はほとんど送話器にすがりつきそうな勢いで、「どこで逢うと云うんだろう。」と、一生懸命に問いかけますと、能弁な泰さんは、「それがさ、....
婦系図」より 著者:泉鏡花
心の裡、蓋し察するに余あり。 我は不義者の児なりと知り、父はしかも危篤の病者。逢うが別れの今世に、臨終のなごりを惜むため、華燭銀燈輝いて、見返る空に月のごとき....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
び元の噴出の場所に帰ってくる。その途中で、その後に放出されたもの、特にガス体に出逢う。これらの物質全体は結局は、中心体のまわりに広く広がった、固体並びに液体の微....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
―髷の鬢を撫でつけますよ。女同士のああした処は、しおらしいものですわね。酷いめに逢うのも知らないで。……ぽう、ぽっぽ――可哀相ですけど。……もう縁側へ出ましたよ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
追いつきたい。巌穴の底も極めたければ、滝の裏も覗きたし、何か前世の因縁で、めぐり逢う事もあろうか、と奥山の庚申塚に一人立って、二十六夜の月の出を待った事さえある....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
刻家の耳にはいった時、彼は妻や友達と相談した上で、死から奇蹟的によみがえった彼に逢うためにユダヤへの長い旅についた。アウレリウスは近頃どことなく疲れ切っているの....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ある。 「僕は大空腹。」 「どこかで食べて来た筈じゃないの。」 「どうして貴方に逢うまで、お飯が咽喉へ入るもんですか。」 「まあ……」 黙ってしばらくして、 ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、つまりはこの事があった為めでございました。当時の私に取りましては、死んだ良人に逢うのがこの世に於ける、殆んど唯一の慰安、殆んど唯一の希望だったのでございます。....
化鳥」より 著者:泉鏡花
うけれど、獣でござりますから今に長い目で御覧じまし、此奴はもう決してひもじい目に逢うことはござりませぬから。) とそういって、かさねがさね恩を謝して、分れてど....
良夜」より 著者:饗庭篁村
年寄の忠告にも、「旅は明日志す所へ着くというその夜は誰も安心して必ず其所で竊みに逢うものなり」とありたれば、今宵こそ大事なれとその胴巻を締めたまま臥しながらもな....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
電気。 さて針金に取り出すその術は、 ファラデーが手本にしたのは愛情で、 二人が逢う刹那と別るる刹那、 飛出す火花は電気じゃないか。 ファラデーはローヤル・ソ....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
ものなれども、政府にてはかかる企みと知るや知らずや、財政|窮迫の折柄、この申出に逢うて恰も渡りに舟の思をなし、直にこれを承諾したるに、かかる事柄は固より行わるべ....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
る真剣さと、うまれぬさきの世の履歴を読む好奇心と、いや、それよりも、恋人にめぐり逢う道しるべの地図を見る心の時めきで、読む手が思わず震えました。 川裳明神の縁....
活人形」より 著者:泉鏡花
きけむ、心身たちまち悩乱して、腸絞る苦しさにさては毒をば飲まされたり。かの探偵に逢うまでは、束の間欲しき玉の緒を、繋ぎ止めたや繋ぎ止めたやと絶入る心を激まして、....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
きとれないことなどもたまにはある。そうして帰り路に横道から姿を現わして来る粂吉に逢うようなこともある。私の呼ぶ声を聴き得たとき、粂吉は心もち急ぎ足で近寄って来る....