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連ね
「連ね〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
連ねの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
時衣《にたりかじのい》」とうたった詩人|石※《せきたい》翁をしてあの臼《うす》を
連ねたような石がきを見せしめたら、はたしてなんと言うであろう。
自分は松江に対....
「竜」より 著者:芥川竜之介
り》を空に張り渡すもの、あるいはまた仰々《ぎょうぎょう》しく桟敷《さじき》を路に
連ねるもの――まるで目の下の池のまわりは時ならない加茂《かも》の祭でも渡りそうな....
「或る女」より 著者:有島武郎
ゆるめていた。田圃《たんぼ》のここかしこに、俗悪な色で塗り立てた大きな広告看板が
連ねて建ててあった。葉子は袖《そで》を顔から放して、気持ちの悪い幻像を払いのける....
「或る女」より 著者:有島武郎
う自信を持ちながら、後ろも振り向かずにだんだん波止場から遠ざかった。海ぞいに立て
連ねた石杭《いしぐい》をつなぐ頑丈《がんじょう》な鉄鎖には、西洋人の子供たちが犢....
「星座」より 著者:有島武郎
、数字と数字との間を縦横に駈けめぐった。しばらくの間鉛筆は紙の余白に細かい数字を
連ねていたが、そして渡瀬は神文でも現われてくるのを見る人のように夢中で鉛筆のあと....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
吟しながら心待ちに君を待つのだった。そして渋りがちな筆を休ませる間に、今まで書き
連ねて来たような過去の回想やら当面の期待やらをつぎつぎに脳裏に浮かばしていたのだ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、私の言葉は私の意味しようとするところに忠実であってくれた。然しこれから私が書き
連ねる言葉は、恐らく私の使役に反抗するだろう。然し縦令反抗するとも私はこれで筆を....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ために作り賜いぬ。 河々の水を汝は賜い、その中に住む生物を賜いぬ。 山々の尾根を
連ねしは汝、かくて人類とこの地上の世を作りしは汝ぞありし。 ラプラスの仮説によ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、野茨乱れて白きのみ。沖の船の燈が二つ三つ、星に似て、ただ町の屋根は音のない波を
連ねた中に、森の雲に包まれつつ、その旅館――桂井の二階の欄干が、あたかも大船の甲....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
細き水銀の川のごとく、柱の黒い家の状、あたかも獺が祭礼をして、白張の地口行燈を掛
連ねた、鉄橋を渡るようである。 爺様の乗った前の車が、はたと留った。 あれ聞....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
前へ三町、そこにもかしこにも両側の商家軒を並べ、半襟と前垂の美しい、姐さんが袂を
連ねて、式のごとく、お茶あがりまし、お休みなさりまし、お飯上りまし、お饂飩もござ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
の海は、雲の模様に隠れながら、青い糸の縫目を見せて、北国の山々は、皆|黄昏の袖を
連ねた。 「神兮長に有無の間にあり。」 胸を見ると、背中まで抜けそうな眼が濶と....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
黄、緑、青、鳩羽というように変わりました。冬になって木々のこずえが、銀色の葉でも
連ねたように霜で包まれますと、おばあさんはまくらの上で、ちょっと身動きしたばかり....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
た。それは推古から明治に至る各時代の民を主人公にし、大体三十余りの短篇を時代順に
連ねた長篇だった。僕は火の粉の舞い上るのを見ながら、ふと宮城の前にある或銅像を思....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
平野、稲村、私らは日本農民組合に参加していた。それで学窓を離れるや仲間はタモトを
連ねて農民運動にとびこんだ。日農から平野力三は山梨県、三宅正一は新潟県、川俣清音....